王立バーミンガム芸術家協会

王立バーミンガム芸術家協会：バーミンガム美術史を彩る老舗団体

王立バーミンガム芸術家協会（Royal Birmingham Society of Artists、略称RBSA）は、英国バーミンガムのジュエリークォーターに本部を置く美術団体です。登録慈善団体として、バーミンガムのブルックストリートにあるギャラリーを運営し、地域芸術家の育成と作品発表の場を提供し続けています。

協会の起源と発展

RBSAの歴史は1812年、バーミンガム芸術協会として設立されたことに始まります。その前身は、1809年にサミュエル・ラインズ、モーゼス・ホートン、ヴィンセント・バーバー、チャールズ・バーバーらによってペックレーンで開かれた絵画教室でした。この教室を母体として1814年、バーミンガム美術アカデミーが設立され、同年最初の展覧会が開催されました。

1929年には、トーマス・リックマン設計によるギャラリーと事務所の建物が建設されました。その後、1868年には王室からの勅許を受け、現在の名称である「王立バーミンガム芸術家協会」となりました。

ラファエル前派やアーツ・アンド・クラフツ運動との関わり

ヴィクトリア朝後期には、ラファエル前派やアーツ・アンド・クラフツ運動といった英国美術史において重要な役割を果たした芸術家たちがRBSAで活動しました。これにより、RBSAは英国美術界における影響力を高めていきました。

当初、芸術家の育成を目的としていましたが、1843年にバーミンガム美術学校が設立されると、教育機関としての役割は美術学校に譲り、1877年にはバーミンガム市が美術学校の運営を引き継ぎました。

現代におけるRBSA

現在もRBSAは、バーミンガム地域の芸術家たちの作品展示や育成に尽力しています。会員になるには、まず準会員への申請を行い、既存会員による投票を経て選出されます。正会員への昇格も同様の会員投票によって決定されます。RBSAは、長年にわたりバーミンガムの美術文化を支える重要な存在であり続けています。

参考文献

The Making of Birmingham: Being a History of the Rise and Growth of the Midland Metropolis, Robert K. Dent, Published by J. L. Allday, 1894
Buildings of England: Warwickshire, Nikolaus Pevsner and Alexandra Wedgwood, 1966, 1974, ISBN 0-14-071031-0

まとめ

王立バーミンガム芸術家協会は、200年以上にわたってバーミンガムの美術界の中核を担ってきた由緒ある団体です。絵画教室から始まり、美術アカデミー、そして王立協会へと発展を遂げ、数々の著名な芸術家を輩出し、バーミンガムの美術文化に多大な貢献をしてきました。現在も、会員による投票で厳正に選抜された会員たちが、活発な活動を展開しています。RBSAは、これからもバーミンガムの芸術文化の灯を未来へと繋いでいくでしょう。

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