珠姫 (イチゴ)

珠姫（たまひめ）とは

珠姫（たまひめ）は、日本の奈良県で育成されたイチゴの新しい品種で、特にその大きさが際立っています。この品種は、アスカルビーや古都華に続いて育成されたもので、果実の大きさは驚くべきもので、平均して33.6グラムにも達し、30グラムを超えるものが7割以上を占めています。中には90グラムを超える果実も見られるほどです。対して、アスカルビーと古都華の平均的な果実の重さは20グラムから25グラム程度です。

現状と栽培状況

2022年時点での珠姫の作付け面積は0.7ヘクタールであり、全体の作物に対する割合はわずか0.01パーセントです。この数値からもわかるように、まだ新しい品種である珠姫は、栽培面積が限られています。さまざまな病気に対して抵抗性がないため、萎黄病やうどんこ病、炭そ病から苗を守るための感染防止策や、収穫前の予防措置が必要不可欠です。

味の特徴

珠姫の味わいは、アスカルビーや古都華とは異なり、酸味が少なく、さっぱりした甘みが特徴です。アスカルビーが糖度と酸味のバランスが良く、またジューシーさが際立つ一方、古都華は糖度と酸度がどちらも高く、濃厚で深い味を持っています。珠姫は、その名の通り、まるで宝石のように美しい外観と、甘さの中に爽やかさを秘めた味わいを提供してくれます。

育成の背景

珠姫は、奈良県農業研究開発センターによって育成されました。さちのかととちおとめを交配した「系統 22-19-1」にまりひめを組み合わせた系統から選別されたこの品種は、2014年から試験栽培が始まりました。2016年には生産者による試験栽培が行われ、好評を博したため、品種登録に向けての動きが加速しました。2019年に正式に品種登録が出願され、新たなイチゴ品種として注目を集めています。

名称の由来

最初は「奈良9号」という名称で開発が始まりましたが、2019年に奈良県のウェブサイトなどで名称を募集した結果、「珠姫」という名前が選ばれました。この選考には1150人以上が参加し、選考会議を経て最終決定が下されました。選考理由としては、果皮に光沢があり、まるで卵のように大きい珠姫の特徴を表す親しみやすい名前だと評価されたことが挙げられています。

珠姫は、今後ますます多くの人々に親しまれ、多くの場面で楽しんでもらえる果物になることが期待されています。

もう一度検索