琉球生命保険

琉球生命保険相互会社とは

琉球生命保険相互会社は、沖縄がアメリカの統治下にあった時代に存在した生命保険会社です。1948年11月に嘉数昇らによって創業されました。当初は非法人組織でしたが、後に米国民政府が出資する特殊法人としての株式会社となり、1960年には純粋な民間法人である相互会社へと組織変更されました。

沖縄が日本に復帰するまでの間、沖縄で営業していた生命保険会社は、沖縄生命保険（後に協栄生命保険に統合）と琉球生命保険の2社のみでした。しかし、その経営規模は本土の生命保険会社とは比較にならず、本土復帰後の独立経営は困難であることが明らかでした。そのため、1973年に日本生命保険と業務提携し、1975年8月1日に全契約を日本生命に包括移転して解散しました。

沿革

1948年11月6日 - 嘉数昇の自宅で発起人会が開かれ、会社設立に向けての動きが始まりました。
1949年1月25日 - 琉球列島米国軍政府から、労務者賠償保険業務が認可されました。
1952年6月10日 - 米国民政府が「琉球生命保険株式会社の設立（米国民政府布令第80号）」を公布し、非法人組織だった琉球生命が法人化されました。
1953年2月6日 - 生命保険事業を開始しました。
1953年12月25日 - 奄美群島の日本復帰に伴い、大島支店を閉鎖。同支店の保険契約は協栄生命（後に破綻）に移転しました。
1955年9月21日 - 自社ビルに事務所を移転しました。
1957年9月15日 - 通貨交換により、保険金額等がUSドルに換算されました。
1960年4月1日 - 米国民政府の所有する株式が回収され、民間会社としての相互会社に組織変更されました。
1964年3月23日 - 嘉数昇が代表取締役社長を辞任しました。
1965年12月27日 - 嘉数昇が代表取締役社長に復帰しました。
1968年12月7日 - 「琉球生命本館」が完成し、本社機能を移転しました。
1971年3月19日 - 外国保険事業者として、日本本土における保険事業免許を取得。「東京事務所」「東京支店」「大阪支店」を開設し、本土進出を果たしました。
1972年5月15日 - 日本復帰に伴い、日本の国内保険事業者免許を取得。通貨交換により、保険金額等が円に換算されました。
1973年5月25日 - 日本生命保険と業務提携を結びました。
1973年7月17日 - 日本生命の協力の下、「株式会社日本生命琉球保険代理社」が設立されました。
1975年5月30日 - 定時社員総代会にて、日本生命保険への保有保険契約全部包括移転を決議しました。
1975年8月1日 - 琉球生命が解散し、保険契約は日本生命に包括移転されました（事実上の吸収合併）。
1976年3月5日 - 琉球生命の清算事務が完了しました。

主な商品

琉球生命保険は、以下のような多様な保険商品を提供していました。

終身保険
養老保険
新種養老保険
くらしの保険
新種くらしの保険
特種くらしの保険
倍額保険
くらしの設計保険
災害倍額くらしの設計保険
住宅保険
生活設計保険
こども保険
入学祝金付愛の養育保険
おやこ保険
新種おやこ保険
貯蓄保険
しあわせ貯蓄保険
ゆたかな年金保険
* 団体定期保険

まとめ

琉球生命保険は、沖縄の特殊な歴史的背景の中で誕生し、独自の発展を遂げた生命保険会社でした。その歴史は、沖縄の復帰という大きな転換期とともに幕を閉じましたが、沖縄の保険業界における重要な存在として、その名前は記憶されています。

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