琉球列島米国軍政府

琉球列島米国軍政府について

琉球列島米国軍政府は、1945年3月に沖縄本島へ上陸したアメリカ軍によって設立され、1950年12月まで存在した軍政機構です。一般には「米国軍政府」とも呼ばれています。

軍政府の成立

1945年2月に硫黄島を攻略したアメリカ軍は、日本本土攻略の足がかりとして沖縄への侵攻を開始しました。沖縄は面積、人口、そして日本の統治下にあった歴史の長さから、それまでの占領地とは比較にならないほど大規模な占領となりました。

1945年3月26日、アメリカ軍は慶良間諸島に上陸し、太平洋艦隊司令長官であるチェスター・ニミッツ元帥の名で「権限の停止」を宣言する米国海軍軍政府布告第1号、いわゆる「ニミッツ布告」を公布しました。続けて4月1日には沖縄本島にも同様の布告が出され、4月5日には読谷村比謝に軍政府が開設されました。

ニミッツ布告は、日本政府のあらゆる行政権を停止し、南西諸島とその近海、そこに住む人々に関する政治、管轄、最高行政責任を、占領軍司令官兼軍政府総長であるニミッツ元帥に帰属すると宣言したものです。

終戦後の同年8月15日以降も、沖縄や奄美地域での軍政区域は拡大され、宮古諸島は12月8日、八重山諸島は12月28日、奄美群島とトカラ列島は翌年の2月2日に軍政下に入りました。そして1950年12月15日、琉球列島米国民政府へと改組されました。

軍政府の組織

1945年3月26日にニミッツ布告第1号によって日本の行政権と司法権の停止が宣言され、同年4月5日にはニミッツ布告第2号によって読谷村比謝に軍政府が設立されました。その後、4月13日には軍政府は北中城村島袋（現在のライカム周辺）に移転しました。

琉球列島米国軍政府の最高位は軍政長官、次位には軍政府長官、さらにその補佐として軍政府副長官が置かれました。設立当初はニミッツが軍政長官を務め、軍政府長官にはターナー海軍中将、軍政府副長官にはクリスト陸軍准将が任命されました。1945年9月21日からはスティルウェル陸軍大将が軍政長官となりましたが、実質的な軍政運営は海軍が担当していました。その後、1946年7月1日にはスタイヤー陸軍中将が軍政長官に就任し、軍政運営は陸軍へと移管されました。

琉球列島米国軍政府は、アメリカ太平洋方面軍（後に極東軍に改組）の下級機関として位置づけられていました。住民統制のための機関として、沖縄諮詢会（後に沖縄民政府、沖縄議会、沖縄民政議会へと改組）が設置され、司法機関としては刑事に関する特定軍事裁判所が設けられました。

歴代長官

歴代の軍政長官については、詳細な情報が参考文献に掲載されています。

脚注

詳細な注釈については、参考文献をご覧ください。

出典

参考文献として、以下の沖縄大百科事典が参照されています。

沖縄大百科事典 上巻
沖縄大百科事典 中巻
沖縄大百科事典 下巻
沖縄大百科事典 別巻

関連項目

沖縄県の歴史
アメリカ合衆国による沖縄統治
琉球列島米国民政府
連合国軍最高司令官総司令部
在朝鮮アメリカ陸軍司令部軍政庁
アメリカ軍
沖縄戦
琉球郵政庁

外部リンク

沖縄県公文書館
読谷村史『戦時記録』用語解説・ニミッツ布告についての解説（読谷村公式サイト）

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