琉球銀行若松支店強盗事件

琉球銀行若松支店強盗事件

1968年7月5日、アメリカ統治下の沖縄県那覇市で発生した琉球銀行若松支店強盗事件は、社会に大きな衝撃を与えました。

事件の概要

1968年7月5日午後3時10分頃、2人組の強盗が琉球銀行若松支店に押し入りました。犯人たちは、女性行員に発砲し重傷を負わせ、カウンターから現金5万1500ドルを強奪して逃走しました。琉球警察は直ちに緊急配備を敷きましたが、犯人たちは逃げ切りました。

事件発生から1ヶ月後、ある暴力団員が不相応な新車を乗り回しているという情報が寄せられました。警察が捜査を進めた結果、この暴力団員が今回の事件の犯人であることが判明し、逮捕に至りました。その後の供述により、他の犯行グループのメンバーも次々と逮捕されました。

犯人

この事件が社会に衝撃を与えた最大の要因は、犯行グループの主犯格が元検事で、当時現職の弁護士であったことです。この弁護士は、普天間派という暴力団の顧問弁護士を務めていました。弁護士は当時、女性関係で多額の金銭を費やしており、経済的に困窮していました。そこに、普天間派の幹部らが共謀し、銀行強盗を企てたのです。

犯行グループは、那覇市を中心に銀行を物色し、琉球銀行若松支店を襲撃することを決定しました。主犯格の弁護士は、犯行に使用する凶器として、那覇地方裁判所名護支部の証拠品倉庫から軽機関銃を盗み出そうとしましたが、失敗に終わりました。そのため、やむなくナタと拳銃を準備したとされています。

判決

那覇地方裁判所は、主犯格の弁護士に対し懲役13年の判決を言い渡しました。その他のメンバーには、懲役6年から12年の判決が下されました。また、沖縄弁護士会は、主犯格の弁護士を除名処分としました。


この事件は、アメリカ統治下の沖縄における社会不安を象徴する出来事として、今もなお語り継がれています。

参考文献

比嘉清哲『沖縄警察50年の流れ 犯罪実話物語』1997年
沖縄県警察史編さん委員会編『沖縄県警察史 第3巻（昭和後編）』2002年

関連項目

琉球銀行
銀行強盗
沖縄県の暴力団
琉球警察

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