琴富士孝也

琴富士 孝也について

琴富士 孝也（ことふじ たかや、1964年10月28日生まれ）は、千葉県千葉市花見川区出身の元大相撲力士であり、現在はYouTuberとしても活動しています。彼の本名は小林 孝也（こばやし たかや）で、相撲の世界で培った経験を元に多彩なキャリアを築いています。しかし、その人生は多くの波乱に満ちていました。

相撲キャリアの始まり

琴富士は千葉市立幕張中学校を卒業後、1980年3月に佐渡ヶ嶽部屋から初土俵を踏みました。若い頃から素質が高く期待され、当初は「琴大杉」の名で活動していましたが、1986年に「琴富士」に改名。新十両に昇進したのは同年の11月場所であり、1988年にはついに入幕を果たします。入幕初場所では11勝4敗を記録し、敢闘賞を受賞しました。1990年には関脇に昇進しますが、その後は成績が芳しくなく、前頭の上位と下位を行き来する日々が続きました。

平幕優勝の偉業

琴富士の相撲人生の中で特に記憶に残る出来事は、1991年7月場所での平幕優勝です。この時期、相撲界は横綱・千代の富士や大乃国の引退に伴い世代交代が進んでいましたが、彼は13連勝を成し遂げ、横綱や大関を次々と破り、平幕優勝を果たしました。この快挙は多賀竜以来7年ぶりのことであり、彼の名を広める契機となりました。

引退とその後の歩み

1995年9月、琴富士は相撲界を引退しました。引退後は年寄・粂川を襲名し、佐渡ヶ嶽部屋の親方として後進を指導する道を歩みましたが、2000年には部屋を離れました。その後はタレントとして活動し、元力士の小錦の会社に所属し、テレビやバラエティ番組で目にする機会が増えました。

しかし、彼の人生はここから逆風が続くことになります。2014年に彼は偽装結婚で逮捕され、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の判決を受けました。この事件は、ギャンブル依存症に悩んでいたことが影響し、一時的な生活困窮からの逃避行動として起こったものとされています。

療育の仕事への転身

逮捕後、琴富士は自身の人生を見つめ直し、療育の仕事に従事することになりました。中学時代の友人の紹介で、発達障害を持つ子供たちを支援する活動を行いました。彼は自分自身の発達障害の可能性にも気づき、人生がどのように変わるかを模索し続けています。

健康問題とその後の経過

更に彼の人生は厳しい試練に直面します。2021年には心臓病や腎臓病が発覚。手術を受けることとなり、その後、脳梗塞を患うことになります。入院からの回復に努め、生活支援を受けながらリハビリを行っています。2023年には、今なおリハビリを続けており、右半身に麻痺が残っていますが、意識はあると彼のマネージャーは語っています。

終わりに

元力士の琴富士は、大相撲の世界で名を馳せた後の人生で多くの困難を乗り越えながら、さまざまなキャリアを歩んできました。彼の経験は、スポーツや芸能界において一度は栄光を手にした人々が、その後どういう道を歩むのかを考えさせる貴重な教訓となります。そして、彼が現在どのようにリハビリを進め、生活を営んでいるかについても、多くの人々が関心を寄せています。

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