琴龍宏央

琴龍 宏央（ことりゅう ひろお）

琴龍宏央（1972年3月2日生まれ）は、兵庫県高砂市の出身でしたが、最初は千葉県市川市を出身地としていました。佐渡ケ嶽部屋に所属していた元大相撲力士で、本名は中野克巳（なかの かつみ）です。彼の最高位は西前頭筆頭で、その名声は1999年1月場所と2000年1月場所の横綱を撃破したことで広まりました。

来歴

琴龍は元幕下天童の長男として誕生し、後に千葉県市川市に移転しました。彼の曾祖父は大阪相撲の千鳥川、祖父は草相撲で成功を収めた4世力士にあたります。中学校を卒業後、琴二という呼び出しに伴われて佐渡ヶ嶽部屋に入門し、1987年3月場所において「琴中野」という四股名で初土俵を踏みました。

初土俵からわずか4年で幕下に昇進したものの、1993年5月場所では7戦全敗を記録し、精神的な苦悩から髷を切り落として逃げ出しました。父親の説得により心を入れ替え、1994年7月場所で十両に昇進。この新十両の場所では、ざんぎり頭でした。1996年7月には10年の努力が実り入幕し、それ以降、彼の豪快な吊り技がファンやメディアに親しまれました。

引退時には「引退する理由は体力の限界」と語り、現役時代に印象深い取り組みとして、2000年1月場所で横綱武蔵丸と対戦した2分半に及ぶ相撲を挙げました。この取組は琴龍の力士人生の中でも特に記憶に残る一戦です。

成績と名声

琴龍は通算591勝576敗の成績を残し、幕内成績は325勝378敗でした。彼はこれまでに三賞を1回、敢闘賞をも1回獲得しており、金星は貴乃花から2個、武蔵丸から1個の計3個を挙げています。また、十両で1回の優勝を経験しました。

引退後と指導者としての活動

引退後は準年寄として後進の指導に尽力しましたが、期限満了に伴い2006年に日本相撲協会を退職。退職後は千葉県の実家に戻り、家業を継いで社長に就任しました。興味深いことに、趣味は多岐にわたり、野球やサーフィン、パソコン、ギターなどを楽しんでいたようです。

エピソード

現役時代に「琴龍ノート」と称して自らの稽古や取組を記録し、次に生かす知性派の力士としても知られていました。さらに、彼は試合の研究のために、自宅で多くのビデオを視聴し、最新のビデオデッキを何度も買い換えていたと言います。そして「平成の野武士」というニックネームは、本人が募集し、数多くの中から選ばれたものです。父との絆も強く、場中でもアドバイスをもらいながら力士としての人生を歩んでいました。これらの活動を通じて、琴龍はただの力士としての存在ではなく、自らの人格形成にも熱心だったことが伺えます。

以上のように、琴龍宏央の人生は多くの経験に満ち、相撲界だけでなくビジネスや趣味においても多彩な顔を持った人物でした。

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