瓶ヶ森

瓶ヶ森（かめがもり）

概要

瓶ヶ森は、四国山地西部の石鎚山脈に属する標高1,897mの山です。愛媛県では3番目に高く、四国全体でも5番目の高峰として知られています。また、日本三百名山および四国百名山にも選ばれており、その美しい景観と山岳信仰の歴史から多くの登山者に親しまれています。山頂付近には「瓶壺（かめつぼ）」と呼ばれる湧水が溜まる場所があり、これが山名の由来となっています。

地理と景観

瓶ヶ森の最高地点は「女山（めやま）」と呼ばれ、そこから南になだらかな稜線が続き、「男山（おやま）」の山頂へと至ります。南東には岩峰の子持権現山がそびえ、これらの山々は古くから石土信仰の対象とされてきました。女山山頂には蔵王権現、男山山頂には石土古権現の祠が祀られています。瓶ヶ森一帯は石鎚国定公園に指定されており、豊かな自然が保護されています。

山頂からは、西に広がるウラジロモミの白骨林が点在する氷見二千石原、その先に石鎚山を望むことができます。北側には瀬戸内海が広がり、南側には幾重にも重なる四国山地、そして遠くに土佐湾を望むことができます。氷見二千石原は、隆起準平原の残留物とされる平坦な笹原で、その広大さから江戸時代の石高にちなんで名付けられました。

瓶ヶ森は吉野川の源流域にあたり、山麓の瓶ヶ森林道沿いには吉野川源流の碑が建てられています。

山岳信仰

瓶ヶ森は古くから山岳信仰の対象として崇められてきました。斉明天皇の頃、役小角が山頂から北に位置する龍王山で修行し、阿弥陀三尊や石土蔵王大権現を感得したと伝えられています。その後、龍王山の麓に天河寺が創建され、瓶ヶ森への登拝の拠点として栄えました。天平9年（737年）には行基によって山頂に石土山が開山され、天平勝宝5年（753年）には熊野権現が勧請されました。天河寺は一時、石鎚山の弥山にも勧請されましたが、室町時代に兵火で焼失し、再建されることはありませんでした。

現在、石土宗総本山石中寺が男山山頂を石土山頂上としており、毎年7月1日から10日までを「石土山入峰大会」として、多くの信者が瓶ヶ森と子持権現山に登拝する行事を行っています。この期間中は、山頂直下の山小屋に泊まり込みます。かつては男女別々に山に登拝していましたが、近年では共に登拝するようになっています。

登山ルート

瓶ヶ森への登山ルートはいくつかあります。

瓶ヶ森林道からのルート: 瓶ヶ森林道の駐車場から男山山頂まで約40分、さらに女山山頂まで約30分と、最も手軽に登れるルートです。氷見二千石原を通るルートでは、女山へ直接約40分で到達できます。
西之川からのルート: 西之川から鳥越岩を経由するルートは、本来の登山道とされています。
東之川からのルート: 東之川から旧道を経由するルートも、かつての登山道です。

瓶壺へは、瓶ヶ森林道駐車場から西之川方面に約1km進むことで到達できます。山頂の氷見二千石原にはかつて白石小屋がありましたが、現在は廃業しています。

子持権現山

瓶ヶ森の南東に位置する岩峰で、標高は1,677mです。瓶ヶ森と共に古くから山岳信仰の対象とされています。

登山ルート詳細

一般的なルート:
西の川 → 名古瀬越谷 → 十郎あれ → 常住 (988m) → 鳥越 → 釜床谷 → 瓶壺 → 男山 (または、鳥越 → 子持権現山 → 男山)
西の川 → 東之川谷 → 東之川新道 → 台ヶ森 → 女山

注意事項

東之川から菖蒲峠を経由する登山道は、現在廃道となっています。
東之川新道は2010年9月現在廃道となっており、旧道を利用する必要があります。

瓶ヶ森へのアクセス

瓶ヶ森林道を利用するのが一般的です。

参考文献

* 瓶ヶ森 - 西条市

この文章は、瓶ヶ森の概要、地理、歴史、登山ルートなどを包括的に説明したものです。登山を計画する際や、瓶ヶ森について知りたい場合に参考としてください。

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