甕津半島

甕津半島について

甕津半島（オンジンはんとう）は、北朝鮮の黄海南道にあり、黄海沿岸に位置する地域です。この半島は、滅悪山脈に属する支脈を中心とし、全体的に低い丘陵が広がっています。また、海岸線は複雑なリアス式海岸で形成されており、多様な自然環境が魅力です。これらの地形は、地元の生態系や漁業に大きな影響を与えています。

産業の特徴

甕津半島は、海洋資源が豊富な地域であり、特に漁業が重要な産業となっています。潮差が7メートルにも及ぶため、良港には恵まれませんが、この半島周辺は多くの魚類にとって理想的な産卵基地となっています。特にイシモチやタコ、イワシの漁獲が盛んで、地元の漁業に多大な貢献をしています。さらに、海苔の養殖も行われており、これらは地元の経済を支える大きな要素となっています。

また、甕津半島には金、銅、鉄、亜鉛、鉛といった地下資源が点在しています。これらの資源は、海州市から延びる甕津線によって効率的に輸送され、地域経済の発展にも寄与しています。

歴史的背景

甕津半島は現在、北朝鮮の支配下にありますが、歴史的には韓国の一部であった時代も存在しました。38度線の南側に位置しており、かつては韓国の飛び地的な存在でした。元々は黄海道に属していたこの地域は、米軍によって京畿道に編入され、ソウルからの統治が行われていました。

朝鮮戦争が勃発した1950年6月25日、朝鮮人民軍による侵攻が始まりました。韓国軍第17連隊は、激しい抵抗を試みるも、36時間以内に撤退を余儀なくされました。この戦闘では、1100人の部隊の中で326人が戦死し、一般住民を含めると1300人以上が犠牲になったと伝えられています。これを契機に、半島本土は北朝鮮の支配下に置かれることとなりました。

しかしながら、西側沖合いにある白翎島を含む数か所の島嶼部は、韓国の統治下に留まることができました。現在、これらは仁川広域市の一部として運営されています。

まとめ

甕津半島は、その地理的特徴や豊かな自然資源により、漁業が盛んな地域として知られています。その一方で、歴史的には韓国の一部であった経緯を持つなど、複雑な背景を持つ地域でもあります。この地がどのように変遷してきたのかを知ることは、地域の理解を深める上で重要です。

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