甘楽郡

群馬県甘楽郡：歴史と自然が織りなす地域

甘楽郡は、群馬県南西部に位置する郡です。2024年10月1日現在の推計人口は約1万8971人、面積は約365.82平方キロメートルで、人口密度は51.9人/km²と、比較的ゆったりとした広がりを見せています。この郡は下仁田町、南牧村、甘楽町の2町1村によって構成されています。

甘楽郡の歴史：古代から現代まで

甘楽郡の歴史は古く、古代には「甘良郡」として『続日本紀』和銅4年（711年）にその名が登場します。「から」を「かんら」と変化させたという説があり、渡来人が多く居住していた歴史を示唆しています。同年の3月6日には、甘楽郡の一部から多胡郡が設置されたことが記録に残っています。

古代には、のちの一宮で名神大社の貫前神社と宇芸神社が式内社として存在していました。戦国時代には、国峰城を拠点とした小幡氏が、上杉氏、長尾氏、武田氏、後北条氏など、複数の勢力の支配下に置かれながらも活躍しました。しかし、後北条氏の滅亡とともに小幡氏は国峰城を離れることとなります。

徳川家康の関東入府後、この地域には小幡藩と藤岡藩が置かれましたが、藤岡藩は1600年に改易されました。その後、1616年には七日市藩が設置され、江戸時代を通じて小幡藩と七日市藩の2つの藩によって治められました。小幡藩では後に明和事件が発生しており、幕末には下仁田戦争（水戸天狗党と高崎藩兵の衝突）の舞台ともなりました。

明治時代以降は、郡域の再編が繰り返されました。明治11年（1878年）には、神流川上流域の区域を南甘楽郡に、残りの区域を北甘楽[[郡]]として分離されました。甘楽郡という名称は、昭和25年（1950年）に北甘楽[[郡]]が甘楽郡に改称することで復活しました。

その後、昭和20年代から30年代にかけて、周辺地域との合併や市制施行が相次ぎました。富岡町が市制施行して富岡市となり、多くの町村が合併して、現在の2町1村の構成となりました。平成18年（2006年）には、妙義町が富岡市に合併し、現在の甘楽郡の構成が確定しました。

甘楽郡の地理と特徴

甘楽郡は、神流川の上流域を中心に広がる地域です。山地と盆地が入り組んだ地形が多く、豊かな自然に恵まれています。農業が盛んで、特に下仁田ネギなど特産品も有名です。また、歴史的建造物や神社仏閣も多く残されており、歴史と自然の両方を楽しめる地域となっています。

まとめ

甘楽郡は、古代からの歴史、戦国時代の激しい争い、そして近現代の市町村合併を経験してきた地域です。その歴史は、今も残る建造物や地名などに刻み込まれています。一方で、豊かな自然に恵まれ、独特の文化が育まれた地域でもあります。甘楽郡は、歴史と自然の両方を体感できる魅力的な場所と言えるでしょう。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 10 群馬県、角川書店、1988年6月1日。
旧高旧領取調帳データベース

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