甘露寺国長

甘露寺 国長（かんろじ くになが）

甘露寺国長は、江戸時代後期の重要な公卿であり、彼の生涯は日本の歴史の中で特筆すべきものです。生年は明和8年（1771年）で、父は甘露寺篤長、母は河越左門の娘です。国長は甘露寺家の31代目の当主として、名門の血を引き継ぎました。

家族の背景

国長は正室として関長誠の娘である千衛子を迎え、さらに冷泉為章の娘の初子を継室として迎えています。このような結婚関係により、彼の家族は多くの名家とのつながりを持つことになりました。彼には二人の男子、甘露寺治長と甘露寺愛長がいます。また、生母不明の子女たちも存在し、この家系の広がりを示しています。特に、彼の娘である甘露寺妍子は仁孝天皇の典侍として知られています。

公職の経歴

国長の官歴は華々しく、文化10年（1813年）には加茂下上社の伝奏に任命されました。翌年の文化11年（1814年）には正二位・権大納言に昇進しますが、文政2年（1819年）にはこの地位を辞します。その後も彼は文政5年（1822年）に武家伝奏に就任し、文政7年（1824年）には従一位に達しました。最後に、天保7年（1836年）には再度武家伝奏の職を辞任します。

晩年と死去

国長は天保8年（1837年）に薨去しましたが、その生涯を通じて彼の業績は日本の公卿制度に大きな影響を及ぼしました。国長の死後も、彼の家系はその名声を受け継ぎ続け、甘露寺家は江戸時代の貴族としての地位を保持しました。

子孫と養子

国長の子孫には、女子の竹内惟和室と男子の小倉輔季が含まれ、また、養女の遂子は千萬君として名を馳せています。彼女は二条治孝の娘で、後に鍋島直正の養女となり、その後鍋島直与の継室となりました。このように、甘露寺国長の家系は広がりを見せ、歴史の中で様々な役割を果たしていくこととなります。

甘露寺国長の一生を振り返ることで、当時の公卿としての生活や家族の関係、政治的な状況を深く理解することができます。彼は単なる歴史的な人物ではなく、その生き様は今もなお多くの人々に影響を与え続けているのです。

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