甚野尚志

甚野 尚志のプロフィール

甚野 尚志（じんの たかし、1958年 - ）は、日本の著名な歴史学者であり、早稲田大学文学学術院の教授を務めています。専門分野は中世ヨーロッパ史で、その研究は学術界で高く評価されています。彼は早稲田大学で博士号（文学）を取得しています。

学歴と経歴

甚野は福島県福島市に生まれ、福島県立福島高等学校を卒業後、1980年に東京大学文学部で西洋史を学び、卒業しました。その後、1983年には同大学院の人文科学研究科で修士課程を修了し、さらに専門的な研究を進めることを決意しました。その間、彼は1983年に京都大学人文科学研究所の助手としてキャリアをスタートさせました。

彼の研究活動は国際的にも広がりを見せ、1986年から1987年にかけてハーバード大学エンチン研究所で客員研究員としての経験を積んでいます。1988年から1989年には、マックス・プランク歴史研究所でも客員研究員を務めました。1990年には東京大学教養学部の助教授として迎えられ、その後1996年には同大学院総合文化研究科の助教授に昇進し、2007年には教授に就任しました。2008年からは、現在の早稲田大学文学学術院で教授として活動しています。

主要な著作

甚野 尚志は多くの著書を執筆しており、その中でも特に有名なのは以下の作品です。

• - 『隠喩のなかの中世：西洋中世における政治表徴の研究』（弘文堂、1992年）

- 彼の初期の研究成果をまとめたこの書籍では、中世における政治表象の多様性について詳しく考察しています。

• - 『中世ヨーロッパの社会観』（講談社、2007年）

- 上記著書の改題・文庫化版であり、社会的な視点から中世ヨーロッパを理解するための手助けを提供します。

• - 『中世の異端者たち』（山川出版社、1996年）

- 中世における異端者の立場やその影響力に焦点を当てた研究です。

• - 『十二世紀ルネサンスの精神：ソールズベリのジョンの思想構造』（知泉書館、2009年）

- 12世紀における知の革新についての洞察を提供します。

また、『疫病・終末・再生』などの編著書も含めて、彼の研究は幅広いテーマを扱っています。

研究の影響と貢献

甚野は中世ヨーロッパ史に関する深い洞察をもとに、教育者としても学生に優れた指導を行っています。彼の著作は、日本国内外の歴史学研究に大きな影響を与え、その専門知識は高く評価されています。また、彼の翻訳作品もあり、エルンスト・カントロヴィッチやフランツ・フェルテンなどの著名な外国文献を紹介することで、国内の歴史研究に貢献しています。

これらの研究成果や著作行為を通じて、甚野尚志は歴史学の発展に寄与し続けており、彼の教えを受けた学生たちは、今後の歴史研究においても重要な役割を果たしていくでしょう。

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