生きてゐる孫六

映画『生きてゐる孫六』作品解説

『生きてゐる孫六』は、1943年11月18日に公開された松竹製作の映画です。監督・脚本は、日本映画史に名を残す名匠、木下惠介が務めました。戦国時代の三方原の戦いをモチーフに、銘刀「孫六」を軸とした人間模様が描かれています。

ストーリー

物語は、三方原の戦いを背景に、名刀「孫六」を巡る人々の思惑と、若者たちの恋愛模様が複雑に絡み合いながら展開します。戦乱の時代を生きる人々が、刀剣という象徴的な存在を通して、それぞれの欲望や葛藤、そして愛を表現する姿が描かれています。風刺的な要素も盛り込まれ、時代劇でありながらも、現代にも通じる普遍的なテーマを内包した作品となっています。

キャスト

相良喜代松：上原謙
小名木真琴：山鳩くるみ
小名木義弘：原保美
坂部勝輔：細川俊夫
織田茂次郎：河村黎吉
織田幸一：宮子徳三郎
義弘の祖母：葛城文子
小名木梅野：吉川満子
花井周平：坂本武
花井お市：岡村文子
織田八重子：河野敏子
花井荘吉：前畑正美
鈴木曹長：川辺孝二
磯部：山本博一
曾布川：横山準
柴谷：佐土島茂
田中：橋本勉
村の青年：鈴木清一、野戸成晃
村人・金子：岩井昇
武田信玄：坪井哲

スタッフ

監督・脚本：木下惠介
撮影：楠田浩之
音楽：早乙女光
解説：徳川夢声

作品の特徴

本作は、白黒、スタンダード・サイズで製作されました。木下惠介監督ならではの演出と、豪華キャストの演技が光る作品であり、戦時下の日本において、娯楽作品としてだけでなく、社会風刺の要素も盛り込まれた異色作として注目されました。三方原の戦いを背景に、名刀「孫六」を巡る人々の思惑や、若者たちの恋愛模様を巧みに描き出し、時代劇の枠を超えた普遍的なテーマを追求しています。木下監督の初期の作品でありながら、その才能の片鱗を垣間見ることができる作品として、映画史においても重要な位置を占めています。

関連情報

生きてゐる孫六｜木下惠介の全作品　木下惠介生誕100年 - 松竹株式会社
日本映画データベース
生きてゐる孫六 - allcinema
生きてゐる孫六 - KINENOTE
生きてゐる孫六 - オールムービー（英語）
生きてゐる孫六 - IMDb（英語）

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