生ハムメロン

生ハムメロン

生ハムメロン（イタリア語：Prosciutto e Melone、スペイン語：Melón con jamón）は、イタリアとスペインで親しまれている伝統的なオードブルの一種です。

概要

薄くスライスした生ハム（プロシュットやハモン・セラーノなど）を、メロン（主にカンタロープ）の果肉に添えた料理です。提供スタイルは様々で、皿盛りとして供されることもあれば、カクテルスタイルやピンチョスとして提供されることもあります。

特徴

生ハムメロンは、保存食である生ハムの塩味と、メロンの甘味がお互いを引き立て合うことで生まれました。生ハムの塩辛さをメロンの甘さが和らげ、逆にメロンの青臭さを生ハムの風味が包み込むという、味覚の相乗効果が特徴です。

また、生理学的な側面から見ると、メロンに含まれるカリウムは、生ハムに多く含まれるナトリウムと体内で拮抗的な役割を果たします。そのため、生ハムメロンはナトリウムとカリウムのバランスを保ちやすい、理にかなった組み合わせであると言えるでしょう。

日本における生ハムメロン

日本では、主にマスクメロン（青肉系ネットメロン）が用いられます。しかし、日本のマスクメロンは甘みと香りが強く、日本の生ハムは塩分が控えめな傾向があります。そのため、本場イタリアの生ハムメロンとは風味が異なり、好みが分かれることもあります。

イタリアなどでは、塩分の強い生ハムと、甘みが控えめで野菜に近いカンタロープメロンが用いられます。日本で本場の味を再現したい場合は、マスクメロンではなく、マクワウリや熟しきっていないプリンスメロンを使用すると、比較的近い風味になります。

日本での普及

日本で生ハムメロンが広まった背景には、昭和時代中期以降の国産メロンの普及と、バブル時代の海外料理専門店の増加が挙げられます。特に、1980年代のイタメシ（イタリア料理）ブームの際にメディアで頻繁に取り上げられたことが、全国的な普及を後押ししました。イタメシブームは落ち着きましたが、生ハムメロンは現在でも広く親しまれています。

関連項目

イタリア料理
Na+/K+-ATPアーゼ

外部リンク

Prosciutto e melone - The Italian Taste （イタリア語）
Prosciutto e Melone - Cooking For Engineers （英語、ピンチョススタイル）

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