生方良雄

生方 良雄について

生方良雄（うぶかた よしお、1925年11月24日 - 2021年6月19日）は、日本の鉄道研究家であり、小田急電鉄でさまざまな役職を歴任した著名な人物です。鉄道に関する豊富な知識と経験を持ち、その業績は多岐にわたります。

生い立ちと教育

生方は東京市の牛込区に生まれ、4歳のときに世田谷区経堂町に転居しました。さらに、父の仕事の関係で1934年から1940年にかけて中国東北部の奉天市（現在の瀋陽市）に住みますが、その後は再び経堂に居を構えました。彼は日本大学理工学部機械科で学び、在学中には日大鉄道研究会の設立に貢献しました。また、高松吉太郎が関与する東京鉄道同好会にも参加していました。

1948年に日本大学を卒業後、東京急行電鉄（大東急）に入社します。当初は国鉄への就職を考えていましたが、当時の国鉄の運営状況を考慮し、地元の東急に入社を決めました。しかし、彼が入社した2ヶ月後に東急は分離独立し、新入社員の頃は車両部での職務はありませんでした。1948年6月1日に小田急電鉄に移籍し、最初は相武台工場に配属され、その後本社運転課へ異動しました。彼は当時の取締役であった山本利三郎のもとで働き、鉄道技術の実践的な知識を深めました。

職業経歴

生方は、小田急電鉄で3000形電車（通称SE車）の開発に従事した後、1955年には相模大野電車区の区長に異動します。その後、企画室や運輸計画部などの部署で運輸計画業務に携わり、車両部長や運輸計画部長などを務めました。特に彼は運転部門での経験が豊富であり、1959年頃からは『鉄道ピクトリアル』をはじめとする鉄道関連の雑誌に寄稿するようになりました。

1979年以降は箱根ロープウェイに出向し、専務取締役としての役割を果たしました。彼は約7年間、自宅からロマンスカーで通勤していたというエピソードもあります。さらに、小田急電鉄事業団の理事としても活動していました。

鉄道ファンとしての情熱

生方は子供のころから乗り物に対する強い興味を持ち、特に小田急の電車に対して熱心なファンでした。趣味としては、鉄道友の会の参与としても活動し、鉄道文化の発展に貢献しました。彼の豊かな知識と経験は、今なお多くのファンに影響を与えています。

著作活動

彼は専門書や雑誌において、鉄道に関するさまざまなテーマについて執筆しました。主な著作としては、『特殊鉄道とロープウェイ』（交通研究協会, 1995）、『鉄道と街・新宿駅』（大正出版, 2000）、『小田急の駅 今昔・昭和の面影』（JTBパブリッシング, 2009）などがあります。また、『鉄道ピクトリアル』やその他の鉄道雑誌でも広く寄稿しており、鉄道ファンからの支持を受けていました。

生方良雄のLegacy

生方良雄は2021年6月19日に95歳で逝去しましたが、彼の業績は今なお多くの人々に記憶され、影響を与え続けています。彼の専門知識と情熱は、鉄道業界や鉄道ファンの間で育まれた文化の一端を担う存在として評価されています。生方の足跡は、鉄道研究の発展とともに今後も語り継がれていくことでしょう。

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