生活指導

生活指導（せいかつしどう）

生活指導は、教育課程における教科外活動や特別活動に位置づけられる、こどもの意識や生活習慣、行動について指導や助言を行うための取り組みです。この活動は、教育者がこどもたちの日常生活に深くかかわることで、彼らの視点を理解し、日常生活における様々な事象について考える力を養うことを目的としています。生活指導は、生徒指導と似た用語ですが、焦点や意図が多少異なります。

概要

生活指導は、主に学級担任やクラブ活動の顧問、また児童会や生徒会活動の顧問など、日常的に接する身近な大人によって行われます。これにより、こどもたちは特定の状況や活動を通じて、しっかりとした支援を受けることができます。さらに、この概念は福祉施設や自立支援施設、更生施設においても利用者に対する指導の際に採用されています。このように、生活指導は非常に幅広い環境で実施されています。

歴史

生活指導という言葉は、第二次世界大戦後に新しい教育課程が普及する前の戦前の日本の民間教育運動に起源があります。特に「北方性教育」に基づく生活綴方教育の中で、この概念が提唱され、文字による表現の啓発を通じ、学生の人格形成を目指す活動として位置付けられていました。1960年代に発表された文部省の「児童生徒に対する郊外生活指導に関する件」（文部省訓令22号）には、生活指導の具体的な方針が示されています。この中では、共同作業の奨励、規律や節制、社会奉仕活動、自然教育、そして身体鍛錬の重要性が明示されています。

教育の現場における影響

戦後の1950年代には、無着成恭による『山びこ学校』の影響で、生活綴方教育が再評価され、教育界では「生活」をテーマにした取り組みが一時的なブームを迎えました。この動きは、教育現場における生活指導の重要性を再認識させるものとなり、さまざまなプログラムが導入され、発展を遂げました。現代においても、生活指導に関する研究や実践を行う民間教育団体が存在し、例えば「全国生活指導研究協議会（全生研）」や「全国高校生活指導研究協議会（高生研）」などがこの分野における重要な拠点となっています。

生活指導は、単なる知識の伝授にとどまらず、こどもたちの成長を見守る重要な役割を果たしています。そのため、教育者がどのようにこどもたちの生活の中に積極的に関わり、共に成長していくかが問われているのです。

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