生源寺美子

生源寺美子（しょうげんじ はるこ）

生源寺美子（1914年1月29日 - 2015年5月18日）は、日本の児童文学作家です。福島県に生まれ、自由学園を卒業しました。50歳を過ぎてから創作活動を始め、数々の児童文学作品を発表しました。

略歴

福島県出身の生源寺美子は、自由学園を卒業後、長らく創作活動とは無縁の生活を送っていました。しかし、50歳を過ぎた頃から、児童文学の世界に足を踏み入れました。1966年、『草の芽は青い』で講談社児童文学新人賞と産経児童出版文化賞をダブル受賞し、作家としての地位を確立しました。1977年には、『雪ぼっこ物語』で野間児童文芸賞を受賞するなど、その才能は高く評価されました。

作風と特徴

生源寺美子の作品は、子供たちの日常や心の機微を丁寧に描いているのが特徴です。子供たちの喜びや悲しみ、成長の過程を、温かく見守るような視点で描いています。また、彼女の作品には、子供たちの視点に立った、優しくユーモラスな表現が多く用いられており、読者に親しみやすい印象を与えます。登場人物の多くは、子供たちが日常で出会うような、等身大のキャラクターであり、読者は彼らに共感しながら、物語の世界を楽しむことができます。

主な作品

生源寺美子の作品は多岐にわたりますが、代表作として以下の作品が挙げられます。

『草の芽は青い』（講談社、1966年）
講談社児童文学新人賞と産経児童出版文化賞を受賞したデビュー作。子供たちの心の成長を瑞々しく描いた作品。
『雪ぼっこ物語』（童心社、1977年）
野間児童文芸賞を受賞した代表作の一つ。雪の中で生きる雪ぼっこの不思議な物語。
『マキオのひとり旅』（金の星社、1973年）
少年マキオの冒険を描いた物語。
『はじめてのおこづかい』（金の星社、1974年）
子供がお小遣いをもらう喜びや、お金の使い方を学ぶ物語。
『はじめてのたんじょうかい』（金の星社、1977年）
誕生会をテーマにした物語。
『はじめてのなみだ』（金の星社、1981年）
子供が初めて涙を流す経験を描いた作品。

その他にも多数の作品があり、子供たちの成長や友情、家族の温かさなどをテーマにした作品を数多く発表しました。これらの作品は、長年にわたり多くの子供たちに愛され、読み継がれています。

その他の活動

生源寺美子は、翻訳にも携わっており、『ほえろミッキー』や『はばたけゲイネック』など、海外の動物文学作品を日本語に翻訳しました。また、1992年には、フジテレビの「一枚の写真」に出演し、自身の人生を語りました。

受賞歴

1966年：講談社児童文学新人賞（『草の芽は青い』）
1966年：産経児童出版文化賞（『草の芽は青い』）
1977年：野間児童文芸賞（『雪ぼっこ物語』）

生源寺美子の功績

生源寺美子は、50歳を過ぎてから児童文学の世界に飛び込み、数々の名作を生み出した作家です。子供たちの心に寄り添い、優しく温かい視点で描かれた作品は、多くの読者に感動と喜びを与えました。彼女の作品は、現代の子供たちにとっても、心の成長を促す良質な文学作品として、今後も読み継がれていくことでしょう。

著作一覧

『草の芽は青い』（講談社） 1966 、のち青い鳥文庫
『少女たち』（実業之日本社） 1969
『もうひとりのぼく』（毎日新聞社） 1971、のちポプラ社文庫
『いぬは王さま?』（講談社） 1972
『マキオのひとり旅』（金の星社） 1973、のちフォア文庫
『マヒトよ明日がある』（あすなろ書房） 1973
『友だちになるとき』（あすなろ書房） 1974
『はじめてのおこづかい』（金の星社） 1974、のちフォア文庫
『さよなら泣きむしマミ』（ポプラ社） 1975
『のびるのびるきこのみみ』（金の星社） 1975
『ぼくのだいじなだいじなひみつ』（高橋書店） 1975
『どうしておひるねするのかな』（銀河社） 1975
『星のとまり木』（あすなろ書房） 1975
『ふたりと一羽』（あすなろ書房） 1976
『ふくろうのめがね』（岩崎書店、日本の幼年童話） 1976
『ななことみんな』（ポプラ社、ふるさとの童話） 1977
『はじめてのたんじょうかい』（金の星社） 1977
『雪ぼっこ物語』（童心社） 1977、のちフォア文庫
『ちゅうりっぷふじさん』（あかね書房） 1977
『人権・ねこ権』（PHP研究所） 1977
『ふしぎなカセットテープ』（ポプラ社） 1978
『だれかしらだれかしら』（講談社） 1978
『はじめてのガールフレンド』（金の星社） 1979
『愛』（ポプラ社、文学の館） 1979
『ミミイがとんじゃった』（国土社） 1979
『金色のランプ』（あかね書房、あかね紀行文学） 1979
『まほうのめがね』（岩崎書店） 1979
『リリコふしぎな国へいく』（あすなろ書房） 1979
『みんなおひるね』（PHP研究所） 1980
『だれもしらないうきわのたび』（PHP研究所） 1980
『ほんとのことが知りたいの 真木子の心の詩』（ポプラ社） 1980
『あの子もこの子もよっといで』（PHP研究所） 1980
『いちぬけたいちぬけた』（フレーベル館） 1980
『はじめてのなみだ』（金の星社） 1981
『まる池のひみつ』（国土社） 1981
『ママってずるーい』（ポプラ社） 1981
『知っているのはぼくだけさ』（講談社） 1981
『はだかの王さまVサイン』（あすなろ書房） 1982
『はじめてのおとまり』（金の星社） 1982
『にじいろのさかな』（佼成出版社） 1982
『王宮のひびきヘンデル』（音楽之友社、ジュニア音楽図書館 作曲家シリーズ） 1982
『おねえさんがほしいの』（あかね書房） 1983
『いやいや一ねんせい』（PHP研究所） 1983
『ごめんね日記みちゃった』（ポプラ社） 1983
『なのはなおつきさん』（ひくまの出版） 1984
『与謝野晶子』（さ・え・ら書房、少年少女伝記読みもの） 1984
『はじめてのテスト』（金の星社） 1984
『アリの町の天使 めぐまれない人びとへの愛に生きた北原怜子』（PHP研究所） 1984
『わたしにだけおしえてね』（ひくまの出版） 1985
『少女たちの季節 青い木の実たち』（ポプラ社） 1985
『パーティはけんかのあとで』（あすなろ書房） 1985
『はじめてのまっしろパンツ』（金の星社） 1986
『コアラはぼくんだからね』（あかね書房） 1986
『フルートふいたのだあれ』（教育画劇、スピカのおはなしえほん） 1986
『リカちゃんとぼくのひみつ』（草炎社、こども文庫） 1987
『ふしぎなねこはあんずいろ』（ひくまの出版） 1987
『海へいこ!』（あかね書房） 1988
『おとなりどうし赤信号』（偕成社） 1988
『ルミのひみつのいぬ』（偕成社） 1988
『あしたはいいな1ねんせい』（金の星社） 1988
『みつ子とゆきちゃん』（岩崎書店、幼年文学名作選） 1989
『でもやっぱりいるさ』（偕成社） 1989
『あじさいの咲く家』（小峰書店） 1989
『それゆけヘディングシュート!』（金の星社） 1990
『おかしなかくれんぼ』（国土社） 1991
『やさしく川は流れて』（ポプラ社） 1992
『あこちゃん、へいきだもん』（ポプラ社） 1992
『きらめいて川は流れる』（ポプラ社） 1993
『キュリー夫人』（小学館、新訂版オールカラー世界の伝記） 1993
『あなたの光は大地をてらし』（草炎社、ともだち文庫） 1993
『そして今日も川は流れる』（ポプラ社） 1996
『はるのてがみはなにいろ?』（教育画劇） 2002

翻訳

『ほえろミッキー』（モーレー、集英社、世界の動物名作） 1972
『はばたけゲイネック』（ムカージ、集英社、世界の動物名作） 1973

テレビ出演

一枚の写真（1992年2月19日、フジテレビ）

関連項目

日本の小説家一覧
児童文学作家一覧

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