生源寺順

生源寺順（しょうげんじ かず）

生源寺順は、明治20年（1887年）3月15日に生まれ、昭和41年（1966年）12月13日に没した、日本の工学者です。大正時代から昭和時代にかけて、教育者、研究者として活躍しました。

生涯

生源寺順は、梅辻操の次男として生まれました。出生地は静岡県または東京都とされています。明治35年（1902年）、伯母にあたる生源寺伊佐雄の養子となりました。

明治44年（1911年）、東京帝国大学工科大学機械工学科を卒業。その後、大正2年（1913年）には九州帝国大学工科大学の助教授に就任しました。大正4年（1915年）から3年間アメリカに留学し、帰国後の大正7年（1918年）に九州帝国大学教授に就任しました。昭和8年（1933年）には同大学工学部長に就任し、3年間その職を務めました。

昭和14年（1939年）4月1日、名古屋帝国大学が創設されると、翌年に理工学部が設置され、同年4月1日に学部長に就任しました。さらに、昭和18年から昭和27年まで名古屋航空研究所の所長も務めました。

昭和24年（1949年）5月17日に名古屋大学総長の田村春吉が死去すると、後任の勝沼精蔵が選任されるまでの間、総長事務取扱を務めました。同年8月20日には工学部長を辞任しました。

昭和30年（1955年）、名古屋大学を定年退職し、名誉教授となりました。退職後は、愛知工業大学の教授として教鞭をとりました。

昭和37年（1962年）10月8日、社団法人計測自動制御学会の名誉会員に推薦されました。

系譜

生源寺家は、以下のような系譜で構成されています。

父：梅辻操
養母：生源寺伊佐雄
前妻：嘉納忠子（嘉納治五郎次女）
長男：生源寺廷（子に生源寺眞一）
後妻：嘉納爽子（嘉納治五郎三女）
次男：生源寺治雄
長女：生源寺康子
三男：生源寺希三郎
次女：生源寺禮子

研究内容・著作

生源寺順は、水力学、特に水タービンに関する研究で多くの業績を残しました。主な著書には、以下のものがあります。

『水力學』（1925年）
『水タービン』（1931年）
『水車』（1934年）
『渦巻ポンプ講義』（1943年）

また、多数の論文も発表しており、その一部を以下に示します。

「ヴエンチュリメーターの係數に就て」（1915年）
「鎖の重量を考へたる場合の鎖せみの効率」（1920年）
「軸方向と横方向との力を受くる均一強さの長柱」（1921年）
「走行體の縱の安定に就きて」（1922年）
「齒車の齒を矩形斷面の Cantilever Beam として強さを考ふる場合」（1922年）
「Size, weight and horse power of aeroplanes.」（1921年）
「On the Approximate Equation for an Eccentrically Loaded Column.」（1922年）

これらの研究成果は、日本の機械工学の発展に大きく貢献しました。

参考文献

『人事興信録』人事興信所編（8版）、人事興信所、1928年。
美崎大洋「嘉納家と我孫子の関係は60年：治五郎死後、別荘は自宅だった」『我孫子市史研究センター会報』第206号、2019年4月26日、2-3頁。
名古屋大学大学院工学研究科・工学部総務課『名古屋大学大学院工学研究科・名古屋大学工学部概要』2024年度版、2024年。

外部リンク

『生源寺順』 - コトバンク

生源寺順は、工学研究者としてだけでなく、教育者、大学運営者としても多大な功績を残し、日本の近代工学の発展に大きく貢献しました。

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