生田乃木次

生田乃木次の生涯と業績

生田乃木次（いくた のぎじ、1905年2月3日 - 2002年2月22日）は、日本海軍士官として著しい功績を残した歴史的人物です。福井県の出身であり、日本軍のパイロットとして初めて敵機を撃墜したことで広く知られています。彼の名前は、日露戦争での活躍をした乃木将軍に由来しています。

幼少期から海軍への道

1905年に生まれた生田は、海軍に入隊することを目指し、1924年に海軍兵学校を卒業しました。その後、飛行学生の訓練を経て、1929年に飛行士としての資格を取得しました。彼の海軍人生は、この頃から始まりました。

初の空戦撃墜

1931年、彼は空母「加賀」の戦闘機隊分隊長として派遣されました。翌年の1932年1月には第一次上海事変が勃発し、「加賀」は上海沖に出動しました。この時、彼は三式艦上戦闘機の小隊を指揮し、艦攻隊と共に蘇州上空に向かいました。そこでロバート・ショートの操縦するボーイング218機と交戦し、見事に撃墜しました。この出来事は日本陸海軍における初の空戦による撃墜であり、国内で大きな報道を受け、彼は英雄として称えられました。

栄光の後の苦難

しかし、英雄となった生田には試練も待ち構えていました。彼は海軍に芸者出身の女性との婚姻許可を申請しましたが、受理されず、非常に不満を抱くこととなります。また、英雄扱いの裏で冷遇されるという現実もありました。最終的には胃痛を抱えながらも、1932年12月に予備役に編入され、海軍を退官しました。

退官後は、大西瀧治郎の助けにより逓信省航空局で航空行政に携わることとなります。1942年には再招集され、終戦時には少佐まで昇進しましたが、軍籍のまま航空官としての職務を続行していました。

戦後の生田

戦後は、魚屋としての新たな生活を始め、その後千葉県船橋市に保育園を設立しました。この保育園は「社会福祉法人 あけぼの福祉会」として知られ、彼は「すべては愛」をモットーに幼児教育に尽力しました。生田は園児たちから「お父さま先生」と呼ばれ、慕われる存在となりました。

政治活動と晩年

1953年には第3回参議院議員通常選挙に改進党公認候補として出馬しましたが、結果は落選に終わりました。生田の人生は多岐にわたり、様々な分野での挑戦に満ちていたと言えます。

2002年に心不全により亡くなった生田は、その死がロバート・ショート撃墜からちょうど70年目の日に最後を迎えました。告別式には多くの卒園生が参列し、彼の影響力と人気が伺えました。生田乃木次の人生は、勇気と思いやりに満ちたものであり、今も多くの人々に語り継がれています。

もう一度検索