生田久貴

生田 久貴

（いくた ひさたか、1962年11月30日 - ）

日本の元ラグビー選手であり、現在は実業家として株式会社ミクニの代表取締役社長を務める人物です。東京都出身。

経歴

生田氏は、慶應義塾幼稚舎から慶應義塾普通部、慶應義塾高等学校を経て、慶應義塾大学商学部を卒業しました。幼少期からラグビーに親しみ、慶應義塾大学でも選手として活躍。

特に印象深いのは、大学4年時の1985年度シーズンにおける活躍です。慶應義塾大学ラグビー部は、関東大学ラグビー対抗戦グループでは4位となりましたが、全国大学ラグビーフットボール選手権大会（大学選手権）への出場権をかけた関東大学ラグビーリーグ戦グループとの交流試合で、リーグ戦優勝チームであった日本大学に勝利し、大学選手権への扉を開きました。大学選手権本大会では、決勝で強豪・明治大学と対戦し、12対12の引き分けで両校優勝となります。これにより、翌日の抽選の結果、日本ラグビーフットボール選手権大会（日本選手権）に大学代表として出場することになりました。1986年1月15日に行われた第23回日本選手権決勝では、社会人強豪のトヨタ自動車（現在のトヨタ自動車ヴェルブリッツ）を18対13で破り、慶應義塾大学は同大会で初めて優勝を果たしました。大学チームの日本選手権優勝は、1975年度の明治大学以来、10年ぶりの快挙でした。

この「ミラクル」とも称されたラグビー日本一達成において、スクラムハーフとしてチームの中心的な役割を担った生田氏は、スポーツメディアから大きく注目されました。大学卒業後、生田氏は社会人ラグビーの強豪チームが存在しない三菱商事に就職しましたが、慶應義塾大学時代の活躍が評価され、日本代表選手に選出されます。

1987年には、記念すべき第1回ラグビーワールドカップの日本代表メンバーに選ばれ、大会ではアメリカ代表、オーストラリア代表との試合に出場しました。しかし、ワールドカップ出場などを機に、ラグビーの第一線級選手としての活動からは徐々に退き、その後はOB戦などに出場する程度となりました。

ラグビー選手としてのキャリアに区切りをつけた後、生田氏は実業家へと転身します。実父である生田允紀氏が社長を務めていた株式会社ミクニに入社し、経営に携わります。そして2008年、父の後任として同社の代表取締役社長に就任し、現在に至ります。

家族・親族

生田氏は、日本の財界や政界、学術界に多くの著名な人物を持つ家系に連なります。父方の祖父である生田允計氏は、自身が社長を務める株式会社ミクニの創業者です。母・敬子氏は、日本鋼管の常務や日本航空の会長を歴任した伍堂輝雄氏の長女です。母方の曽祖父には、元判事の永野法城氏や、林内閣で商工大臣を務めた伍堂卓雄氏（伍堂輝雄氏は伍堂家の養子）がいます。

さらに、母方の家系を遡ると、元運輸大臣の永野護氏、元日本商工会議所会頭の永野重雄氏、元五洋建設会長の永野俊雄氏、参議院議員を務めた永野鎮雄氏、元石川島播磨重工業（現在のIHI）副社長の永野治氏は、母・敬子氏の大伯父（大叔父）にあたります。偕成社の社長である今村正樹氏（同社元会長・今村廣氏の娘婿）は、母方の再従兄弟です。また、元広島県知事の永野厳雄氏や、元三菱マテリアル会長の永野健氏は、母・敬子氏の従兄弟にあたるなど、多岐にわたる分野で活躍した親族が多数存在します。

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