伍堂卓雄

伍堂 卓雄（ごどう たくお）の生涯

伍堂卓雄（1877年9月23日 - 1956年4月7日）は、日本の海軍軍人、政治家、実業家として知られる人物です。東京府の士族に生まれた彼は、名門の家系に育ちました。東京府尋常中学校、第二高等学校を経て、1901年に東京帝国大学工科大学造兵学科を卒業し、海軍の世界でそのキャリアを開きます。

海軍での経歴

彼は海軍造兵中技師や海軍大学校教官といった職務を経て、1924年には呉海軍工廠の長となり、同年に海軍造兵中将に進級しました。その後、彼の専門知識は産業界にも生かされていきます。

満鉄と昭和製鋼所

1928年、伍堂は南満州鉄道（満鉄）の顧問として、朝鮮に設立予定の昭和製鋼所の準備を行うためドイツに派遣されました。そこで研究や設備の調達を行い、翌年には京城府で昭和製鋼所の社長に就任します。また、満鉄理事にも就任し、彼の影響力は広がっていきました。

政界への進出

1937年に林内閣で商工大臣兼鉄道大臣に任命され、その年の5月31日には貴族院の勅選議員としても名を馳せます。1938年には日本商工会議所会頭及び東京商工会議所第7代会頭に選出されるなど、商業界での地位も確立しました。また、翌年には阿部内閣において商工大臣兼農林大臣に就任し、その後の政策決定にも影響を与える立場にありました。

戦後の活動と逮捕

1945年、日本は戦後を迎える中で、伍堂も連合国軍最高司令官総司令部より逮捕命令を受けました。A級戦犯容疑で巣鴨拘置所に収容されましたが、すぐに釈放され、再び日本能率協会の会長に復帰しました。1946年には貴族院議員を辞職し、公職追放の憂き目にも遭います。

晩年と死去

伍堂卓雄は1956年4月7日に78歳で亡くなりました。その生涯を通じて政治や経済に多大な影響を与え、多磨霊園に眠る彼の墓は、その業績をしのぶ場となっています。

著書・編著

伍堂は学術的な著書や研究書も多く残しています。彼の著作には『工業用金属材料学』（1903年）、『伸びゆく独逸 - ナチス・経済の実相を視る』（1938年）、『国防資源論』（1938年）などがあります。これらの著作は彼の専門的な知識と時代の背景を反映した重要な文献となっています。

家族・親族

彼の家族は、妻・新、息子・卓、娘・英子、さらに養子に輝雄という人物がいます。伍堂家は石川県金沢市および東京都に居住しており、彼の子孫も現代の日本で活躍しています。

日本の近代史において重要な役割を果たした伍堂卓雄は、その業績と影響を持って、今も多くの人々の記憶に留まっています。

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