生神女庇護聖堂 (ネルリ河畔)

ネルリ川の生神女庇護聖堂：中世ロシアの傑作

ネルリ川のほとりに佇む生神女庇護聖堂（ポクロフ聖堂）は、中世ロシアを代表する正教会の聖堂であり、生神女庇護祭を記念して建立されました。その美しい姿は、訪れる人々を魅了し、歴史的・文化的価値の高さからユネスコの世界遺産にも登録されています。

歴史

聖堂は、ウラジーミル大公アンドレイ・ボゴリュブスキーによって1165年に建立されました。きっかけは、戦死した自身の息子を弔うためでした。聖堂は、ボゴリュボヴォのネルリ川とクリャージマ川の合流地点に位置し、当時のアンドレイ公の居城と回廊で繋がれていました。

建築様式

白石造りの聖堂は、1つのドームを持ち、内部には4つの柱があります。建築面積は意図的に小さく設計されており、外観をよりスレンダーに見せる工夫が凝らされています。そのため、内部空間はやや狭く、薄暗い印象を与えます。

聖堂の特徴

白い石: 教会は白い石で作られており、周囲の緑豊かな風景とのコントラストが美しい。
立地: ネルリ川とクリャージマ川の合流地点という独特の場所に位置しており、水面に映る姿は幻想的です。
彫刻: 壁面には12世紀の彫刻が残されており、当時の芸術様式を垣間見ることができます。

その後

長い年月を経て、聖堂はボゴリュボヴォの宮殿を訪れる人々を迎える場所として重要な役割を果たしました。かつては春になると洪水に見舞われ、聖堂が水に浮かぶような光景が見られたと言います。回廊は取り壊され、ドームの形も僅かに作り変えられましたが、聖堂自体は大きな損傷を受けることなく、現代までその姿を残しています。

1992年には、「ウラジーミルとスーズダリの白亜の建造物群」の一部として、ユネスコの世界遺産に登録されました。

ネルリ川の生神女庇護聖堂へのアクセス

ウラジーミルからバスまたはタクシーでアクセスできます。
最寄りの空港は、モスクワのドモジェドヴォ空港です。

周辺情報

ボゴリュボヴォ: アンドレイ・ボゴリュブスキーの居城跡があり、歴史的な観光スポットとして知られています。
* ウラジーミル: 黄金の門やウスペンスキー大聖堂など、多くの歴史的建造物があります。

ネルリ川の生神女庇護聖堂は、その美しい外観と歴史的背景から、ロシアを訪れる際にはぜひ訪れたい場所の一つです。春の洪水時に水に浮かぶ姿は特に美しく、多くの写真家や観光客を魅了しています。

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