生駒道弘

生駒 道弘について

生駒道弘（いこま みちひろ）は1932年4月19日に生まれ、日本の経営学の分野で著名な学者として知られています。和歌山大学および四国大学の名誉教授であり、長年にわたり経営学研究に寄与してきました。

経歴

生駒は和歌山県有田郡吉備町（現在の有田川町）で生まれ育ち、1956年に和歌山大学経済学部を卒業しました。その後、1961年には神戸大学大学院の経営学研究科で博士課程を修了し、同年に和歌山大学経済学部に助手として就職しました。これ以降、助手から講師、助教授を経て教授に昇進し、最終的には名誉教授に就任しました。

1975年にはドイツのボン大学にて国費研究を行い、この際には著名な経営学者であるホルスト・アルバッハと共同研究を行いました。1987年から1995年まで近畿大学商経学部の教授を務め、その後1999年には四国大学教授となり、2008年に退職後は名誉教授の称号を取得しました。

生駒の家族には、漢文学者の松下忠が義父として名を連ねています。

研究業績

生駒道弘は「資本剰余金」について、創業者利得に関連する重要な議論を展開しました。特に木村和三郎の説に対して疑問を持ち、創業者利得の概念を明確化するための努力を続けました。彼は1986年に発表した著書『株式時価発行の理論』において、創業者利得は株式会社会計において外部的な概念であり、資本剰余金にはならないと主張しました。この主張は高寺貞男に認められ、1958年から続いていた「株式プレミアム論争」は解決へと向かうこととなりました。

著書

以下は生駒道弘の主な著書です：

• - 『ストック・オプションの研究 現代米国経営者報酬の一形態について』（評論社、1967年）
• - 『現代財務管理論 投資決定理論の研究』（千倉書房、1973年）
• - 『株式時価発行の理論 株式プレミアムと配当政策』（千倉書房、1986年）
• - 『経営学の歩み』（同文館出版、1993年）

また、共同編著としても以下の書籍があります：

• - 『テキストブック経営財務』（有斐閣ブックス、1985年）
• - 『経営財務と証券市場』（榊原茂樹との共編著、千倉書房、1988年）
• - 『現代株式会社と経営財務』（角野信夫との共編著、文真堂、1995年）

生駒道弘はその多彩な業績を通じて、日本の経営学における重要な貢献を果たしました。彼の研究は今後の学術的な発展にも影響を与えることでしょう。

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