田中幸長

田中 幸長

（たなか ゆきなが）

1986年2月1日、愛媛県に生まれた田中幸長は、元社会人野球選手として内野手、外野手のポジションで活躍しました。

来歴

野球との出会いは早く、愛媛県立伊予小学校の1年生からバットを握り始めました。伊予市立伊予中学校時代には、所属したえひめ港南シニアが全国大会でベスト8に進出するなど、早くからその才能の片鱗を見せています。

高校は愛媛県立宇和島東高等学校に進学。高校野球の聖地である甲子園大会への出場は叶いませんでしたが、3年生の夏には愛媛大会で準優勝を経験。高校通算で31本塁打を放つなど、長打力を備えた選手として注目を集めました。

2004年には早稲田大学スポーツ科学部に進学し、名門野球部の門を叩きました。大学でのキャリアは鮮烈でした。入学初年度の秋季リーグ戦で、代打として登場した初打席からなんと2打席連続で本塁打を放つという、リーグ史上初の快挙を成し遂げます。

翌2005年からは不動のレギュラーとして活躍。主に左翼手の定位置につき、チームの主軸となる4番打者を任されました。3年生となった2006年春季リーグ戦からは、その打撃がさらに磨かれ、成績が飛躍的に向上。東京六大学野球リーグを代表する長距離砲としての地位を確固たるものにします。このシーズンから続く4季連続でベストナインに選出されるなど、大学球界屈指のスラッガーとして名を馳せました。

大学最終学年となる2007年度には、早稲田大学野球部の第97代主将に就任。1年生ながら注目を集めた斎藤佑樹投手（現：斎藤佑樹）らの活躍もあり、チームを史上3度目となる東京六大学リーグ3連覇に導きました。特に同年秋季リーグ戦では、打撃各部門でトップの成績を収め、戦後12人目、早稲田大学からは岡田彰布氏（1978年秋季）と鳥谷敬氏（2001年春季）に次ぐ3人目となる「三冠王」に輝く歴史的な快挙を達成しました。さらに、この年の第56回全日本大学野球選手権大会では、チームを33年ぶりとなる大学日本一へと導く原動力となりました。

東京六大学リーグ通算では、84試合に出場し、283打数で89安打、打率.314、10本塁打、66打点という輝かしい成績を残しています。

大学卒業後の2008年、トヨタ自動車に入社し、社会人野球に進みました。秋口からは実戦に起用され始め、強打者として4番打者を任されることもありました。2009年の第80回都市対抗野球大会では5番・三塁手としてチームの準優勝に貢献し、自身も優秀選手に選ばれています。しかし、その後は徐々に出場機会が減少していきました。

2014年には、西濃運輸の補強選手として第85回都市対抗野球大会に出場。この大会で西濃運輸が優勝を果たし、チームの日本一に貢献しました。この年限りで現役生活に終止符を打ちました。

主な表彰・タイトル

第35回社会人野球日本選手権大会打撃賞・優秀選手（2008年）
第80回都市対抗野球大会優秀選手（2009年）

日本代表キャリア

* 第36回日米大学野球選手権大会日本代表（2007年）

大学時代には主将としてチームをまとめ、記録にも記憶にも残る活躍を見せ、社会人野球でもトップレベルの舞台で結果を残した田中幸長氏のキャリアは、多くの野球ファンに記憶されています。

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