田中武雄 (青森県知事)

田中武雄は、1871年（明治4年）に東京府で生まれ、1918年（大正7年）に46歳で亡くなった日本の官僚です。彼は、逓信行政に携わり、後に青森県知事、小倉市長を歴任しました。

若き日の研鑽と官僚としてのキャリア

田中は、1896年に東京法学院を卒業後、判事検事登用試験と文官高等試験に合格し、逓信省に入省しました。逓信省では、逓信属を皮切りに、逓信事務官、逓信書記官、一等郵便局長、逓信省経理局調度課長兼電信灯台用品製造所長、台湾総督府事務官、東京逓信経理局長など、様々な役職を歴任し、その手腕を発揮しました。その後、熊本逓信管理局長に就任しています。

青森県知事としての活躍

1913年6月、田中は青森県知事に就任しました。当時、青森県は大凶作に見舞われており、田中はその対応に尽力しました。しかし、その職務の多忙さからか、1914年4月に休職を余儀なくされ、そのまま退官しています。彼の青森県知事としての在任期間は短かったものの、県民のために尽力した姿勢は評価されています。

小倉市長としての活動と急逝

官僚を退いた後、1916年12月には小倉市長に就任しました。しかし、1918年2月、上京中に急逝し、その生涯を閉じました。享年46歳という若さでした。

田中武雄の人物像

田中武雄は、その経歴から、非常に優秀な官僚であったことが伺えます。逓信行政の専門家として、また、地方行政の責任者として、その能力を十分に発揮しました。特に青森県知事時代には、大凶作という困難な状況下で、その対応に尽力したことは、特筆すべき事績と言えるでしょう。彼の突然の死は、当時の社会に惜しまれました。

栄典

1897年（明治30年）11月30日 - 従七位

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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