田中琢

田中琢（たなか みがく）

日本の考古学者。1933年12月29日に滋賀県で生まれ、2022年9月16日に逝去されました。

生涯

田中琢は京都大学文学部を卒業後、同大学院修士課程を修了しました。1959年には奈良国立文化財研究所に入所し、その後、埋蔵文化財センター所長を務めました。文化庁文化財鑑査官を経て、1994年からは奈良国立文化財研究所長に就任。1999年に退官されました。

研究内容・業績

田中琢の主な業績として、平城宮跡の発掘調査において木簡第一号を発見したことが挙げられます。この発見は、当時の歴史研究に大きな影響を与えました。長年にわたり、日本の考古学研究に尽力し、数々の重要な発見に貢献しました。

著書

田中琢は、多くの著書を執筆し、日本の古代史や考古学に関する知識を広めました。主な著書には以下のようなものがあります。

『日本の原始美術 8 古鏡』講談社, 1979年
『古代日本を発掘する 3　平城京』岩波書店, 1984年
『日本の歴史 2 倭人争乱』集英社, 1991年
『考古学で現代を見る』岩波現代文庫, 2015年

共編著

また、他の研究者との共同研究も積極的に行っており、多くの共編著を出版しました。以下はその一部です。

『日本陶磁全集 4 須恵器』田辺昭三共編集, 中央公論社, 1977年
『日本陶磁全集 2　弥生土師器』田辺昭三共編, 中央公論社, 1978年
『考古学の散歩道』佐原真共著, 岩波新書, 1993年
『発掘を科学する』佐原真共編, 岩波新書, 1994年
『新しい研究法は考古学になにをもたらしたか』佐原真共編, クバプロ, 1995年
『古都発掘 藤原京と平城京』岩波新書, 1996年
『角川日本史辞典』朝尾直弘・宇野俊一共編, 角川書店, 1997年
『権力と国家と戦争 古代史の論点 4』都出比呂志共編, 小学館, 1998年
『都市と工業と流通 古代史の論点 3』金関恕共編, 小学館, 1998年
『日本人の起源と地域性 古代史の論点 6』佐原真共編, 小学館, 1999年
『日本考古学事典』佐原真ほか共編, 三省堂, 2002年

翻訳

海外の考古学研究書も翻訳し、日本の考古学研究の発展に貢献しました。

H.J.エガース『考古学研究入門』佐原真共訳, 岩波書店, 1981年
* 梁上椿『巌窟蔵鏡』岡村秀典共訳, 同朋舎出版, 1989年

まとめ

田中琢は、日本の考古学研究において、重要な役割を果たした人物です。平城宮跡での木簡第一号の発見をはじめ、数々の発掘調査や研究を通じて、古代日本の歴史や文化を解明しました。その業績は、多くの著書や共編著、翻訳書を通じて、後世に受け継がれています。

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