田之上慶三郎

田之上 慶三郎の経歴と特徴

基本情報

田之上慶三郎（たのうえ けいさぶろう）は、1971年9月17日生まれ、鹿児島県指宿市出身の元プロ野球選手です。ポジションは投手で、右投げ右打ちのスタイルを持ちます。

選手としてのキャリア

田之上は1989年のオフにドラフト外として福岡ダイエーホークス（現福岡ソフトバンクホークス）に入団します。高校時代は指宿商業高でプレーし、プロ入り後すぐにアメリカの1Aアドバンス級チームであるサリナス・スパーズに送られ、野球留学の経験を積みました。

1996年には一軍に昇格し、その後「未完の大器」として業界内で注目を浴びることになります。プロ入りから8年目の1997年にようやく初勝利を挙げ、最速140km/hを記録する直球でチームに貢献しました。2000年にはリーグ優勝決定戦に先発し、無失点の活躍を見せ、さらに日本シリーズでの先発も果たしました。

2001年には13勝を挙げ、リーグの最高勝率を獲得し、最優秀バッテリー賞にも輝くなど、エース格にまで成長しました。2002年には開幕投手を務めましたが、その後のシーズンではスランプに陥り、2003年には若手投手にポジションを譲る形になりました。

その後も怪我を抱えつつも、2005年には991日ぶりに一軍に復帰。さらには2006年には326日ぶりの先発勝利を挙げるなど、努力を続けましたが、2007年には成績不振から戦力外通告を受け、10月19日に現役引退を決断します。引退後はコーチとしてチームに残り、選手育成に力を注ぐことになります。

引退後のキャリア

田之上は引退後、2008年には二軍のコンディショニングコーチ補佐に就任し、2009年からは一軍の投手コーチとしてリーグワーストだった救援防御率を改善し、2年連続でリーグ1位へと導きました。2010年にはチームのリーグ優勝に貢献した実績も持っています。その後も北海道日本ハムファイターズで指導を行い、特に大谷翔平選手の育成に携わりました。

2014年には再びソフトバンクに復帰し、2015年から一軍投手コーチとしての役割を果たしました。2017年にはアジアウインターベースボールリーグでNPBウエスタン選抜の投手コーチを務めるなど、その指導力が評価されています。

2023年には退団し、その後は妻の実家の婦人服店に併設されたカフェの運営に関わっています。

投手としての特徴

田之上は曲がりの大きいカーブを武器にし、ウエイトトレーニングや食事に気を使い続けた結果、プロ入り当初は最高球速128km/hに過ぎなかったところから、2001年にはついに最速149km/hを達成しました。このような努力が彼のキャリアを支えた要因の一つです。

彼の整った容姿もファンに支持され、現役時代には多くの女性ファンからの人気を集めました。田之上慶三郎の人生は、プロとしての厳しさと喜びを併せ持つ、非常に興味深い物語であると言えるでしょう。

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