田井真孫

田井真孫（たい しんそん）は、1903年（明治36年）8月12日に東京で生まれ、1973年（昭和48年）2月19日に亡くなった日本のジャーナリスト、コラムニストです。

法政大学経済学部を卒業後、報知新聞などの新聞社で7年間記者として活躍しました。1941年（昭和16年）には法政大学教授に就任しましたが、大日本言論報国会などでも活動したため、戦後、公職追放の対象となりました。

ジャーナリストとしての活動以外にも、文筆家としても才能を発揮しました。野村胡堂に師事し、捕物作家クラブの幹事長を7年務めました。また、「日本教育新聞」の編集局長を1年間務めたほか、「日本海事新聞」ではコラム「うきぶくろ」を連載しました。さらに、大衆文学研究会の会員としても活動しました。

田井真孫の家族も文筆関係者が多く、妹は劇作家、脚本家の田井洋子、妻は時代考証家の田井友季子です。

著書には、『国旗「日の丸」』(社会教育研究会編、印刷庁、1951年)、『色模様江戸から東京へ』(20世紀社、1956年)、『烏城おぼろ月』(桃源社、1959年)、『うきぶくろ』(日本海事新聞社、1968年)などがあります。

田井真孫は、ジャーナリズムの世界から大学教授、そして文筆活動へと、その活動の幅を広げ、多様な分野で才能を発揮した人物でした。戦中、戦後という激動の時代を生き、その時代を背景にした著作を残しました。コラムニストとしても人気を博し、多くの読者に親しまれました。大衆文学にも造詣が深く、その普及にも貢献しました。家族も文筆に携わっている人が多く、文筆一家であったと言えるでしょう。

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