田付七太

田付七太（たつけ しちた）は、1867年9月28日に生まれ、1931年5月31日に没した日本の外交官です。山口県出身で、坪井宗一の三男として生まれましたが、後に田付景賢の養子となりました。養父の景賢は幕末の軍事奉行を務めた田付景澄の子孫です。

1896年（明治29年）に東京帝国大学法科大学英法科を卒業後、外交官及領事官試験に合格し、外交官としての道を歩み始めました。領事官補として元山や漢城で勤務した後、外交官補としてフランスに赴任しました。フランスでは、公使館の三等書記官、二等書記官、大使館の二等書記官、一等書記官を歴任し、その後、外務書記官・大臣官房人事課長、ロシア大使館参事官、フランス大使館参事官などの要職を歴任しました。

1917年（大正6年）には、駐チリ公使に任命され、アルゼンチン、ペルー、ボリビアの公使も兼任しました。その後、1920年（大正9年）に駐オランダ公使に転じ、1923年（大正12年）には駐ブラジル大使に就任しました。これらの役職を通して、南米やヨーロッパにおける日本の外交活動に大きく貢献しました。

外交官としての活動以外にも、1927年（昭和2年）からは海外移住組合聯合会の理事長を務め、海外への移住事業にも尽力しました。

田付七太の親族には、長男で駐デンマーク大使を務めた田付景一や、翻訳家として活躍した長女の田付辰子がいます。

参考文献として、『大衆人事録 第3版』（帝国秘密探偵社、1930年）や、アジア歴史資料センターに所蔵されている「故元特命全権大使田付七太勲章加授ノ件」があります。

田付七太は、明治から昭和にかけての激動期に、外交官として国際舞台で活躍し、日本の発展に貢献した人物として、その功績は記憶されるべきでしょう。

もう一度検索