田代陣基

田代陣基：『葉隠』を書き記した佐賀藩士

田代陣基（たしろ つらもと）は、延宝6年（1678年）に生まれ、延享5年（1748年）に没した江戸時代の武士であり、佐賀藩士です。彼は『葉隠』の筆記者として知られ、山本常朝、湛然和尚、石田一鼎と共に「葉隠の四哲」の一人に数えられています。

生涯

田代陣基は、田代小左衛門宗澄の子として生まれました。元禄9年（1696年）より鍋島藩の3代藩主鍋島綱茂、4代吉茂に祐筆として仕えましたが、宝永6年（1709年）に職を辞しました。

宝永7年（1710年）、山本常朝の庵を訪れたことが彼の人生を大きく変えます。失意の中にあった常朝と語り合ううちに、常朝の言葉を筆記することを始め、7年後の享保元年（1716年）に『葉隠』を完成させました。

5代藩主宗茂の時代の享保16年（1731年）には、54歳で再び祐筆役となり、延享5年（1748年）に71歳でその生涯を閉じました。彼の遺体は佐賀市田代の瑞龍庵に葬られています。

墓所と顕彰

瑞龍庵に葬られた際の墓碑には「松盟軒期酔之墓」と刻まれていましたが、その後、墓所の存在は忘れ去られていました。一時は浪花節語りの墓と考えられていたそうです。

昭和13年（1938年）に墓所が再発見され、昭和19年（1944年）には有志によって瑞龍庵に顕彰碑が建立されました。碑文には「田代陳基先生葉隠纂述記念之碑」と刻まれています。「陣」は「陳」の俗字であり、戦乱の際に用いられることが多いため、田代陣基への敬意を込めて本来の字が使用されました。

現代への影響

田代陣基は、現代のゲームにも影響を与えています。戦略型忍者カードバトルアプリ「突破Xinobi Championship」には、葉隠忍者の頭目として田代陣基をモデルとした忍者が登場しています。

まとめ

田代陣基は、『葉隠』の筆記者として、その思想を後世に伝える上で重要な役割を果たしました。彼の功績は、墓所の再発見や顕彰碑の建立によって再評価され、現代においてもゲームなどの形でその影響を見ることができます。

彼の生涯は、主君への忠義、武士道精神、そして何よりも『葉隠』という貴重な遺産を通して、今も私たちに語りかけています。

参考資料

田代陣基顕彰碑と瑞龍庵(PDF)-佐賀市
『葉隠』の筆録者田代陣基の墓 - さがの歴史・文化お宝帳
* 突破 XINOBI CHAMPIONSHIP

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