田北鎮周

田北鎮周（たきた しげかね）

田北鎮周は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、大友氏の家臣として知られています。豊後国（現在の大分県）の大友氏庶流である田北氏の出身で、直入郡田北村を本拠としていました。

生涯

早くから大友義鎮（宗麟）に仕え、その偏諱を賜って鎮周と名乗りました。彼は武勇に優れ、数々の戦で功績を挙げました。1560年代には毛利氏との戦いで活躍し、永禄11年（1568年）には立花鑑載の反乱鎮圧や、小早川隆景率いる毛利軍との戦いでも武功を挙げました。

天正6年（1578年）の耳川の戦いでは、前哨戦である土持親成攻めで再び武功を挙げました。その後も大友軍の先鋒として日向国高城に攻め寄せましたが、この時、大友軍は主君・宗麟がキリスト教に傾倒し、他の武将たちも戦意が低いという問題を抱えていました。そのため、鎮周は味方を鼓舞しようと無謀にも敵軍に突撃し、その動きに呼応して大友軍も出撃しました。しかし、陣形が伸びきったところを島津軍に突かれ、大敗を喫してしまいます。この戦いで、鎮周は壮絶な戦死を遂げ、享年36歳でした。

この耳川の戦いでの敗北は、大友氏が没落していく大きな要因となりました。

その後

鎮周の死後、田北氏の家督は吉弘氏から婿養子に入った鎮生（しげなり、後に統員に改名）が継承しました。実子の鎮述（しげのぶ、日差城主）は早世していたと考えられています。天正8年（1580年）、田北氏の惣領であった紹鉄が反乱を起こし討伐されると、統員が田北氏の家督を継承しました。

その後、豊薩合戦では佐伯惟定と共に島津軍と抗戦しました。主君の大友吉統が改易されると、統員は浪人し、清成作平と改名しました。寛永9年（1632年）には肥後国に移住して細川忠利に仕え、名を吉弘紹傳に改めたとされています。

統員の子・統生（むねなり）の家系は、日差村の大庄屋として続いたと言われています。

まとめ

田北鎮周は、大友氏の家臣として数々の戦で活躍した武将です。その武勇は高く評価され、多くの功績を挙げましたが、耳川の戦いでの戦死は、大友氏の衰退を招く一因となりました。しかし、田北氏の血筋は、その後の時代にも受け継がれていきました。

もう一度検索