田原町駅 (福井県)

田原町駅：福井の街と文化を繋ぐ交通の要衝

福井県福井市田原町に位置する田原町駅は、えちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の2路線が乗り入れる重要な交通拠点です。えちぜん鉄道の駅番号はE26、福井鉄道はF24となっています。特に福武線は田原町駅を終点としており、地域住民の生活を支える役割を担っています。

歴史を刻む軌跡：開業から現在まで

田原町駅の歴史は1937年、三国芦原電鉄の駅として開業したことに始まります。当初の駅舎は現在の場所から少し離れた位置にありました。その後、1942年には京福電気鉄道に合併、1944年には一時休止を経て、1950年に現在の場所に移転し営業を再開しました。同時に福井鉄道の駅も開業、重要な乗り換え駅としての役割を担うようになりました。

1972年には福井鉄道の駅が無人化されましたが、2001年の三国芦原線営業休止を経て、2003年にはえちぜん鉄道の駅として営業を再開。2006年には福井鉄道側の駅舎改修工事が行われ、2015年には新しい駅舎が完成しました。2016年には福井鉄道とえちぜん鉄道の相互乗り入れ運転が開始され、福井鉄道の駅も有人化。さらに2018年には駅周辺整備事業の一環として、多目的駅待合所「田原町ミューズ」が開業し、利便性の向上が図られました。

駅構造と特徴：2面3線のホーム

田原町駅は単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線の地上駅です。えちぜん鉄道側は終日有人駅、福井鉄道側は相互直通運転開始と同時に有人駅となりました。かつては木造平屋建ての旧駅舎が両社で共有されていましたが、2014年に解体され、現在の近代的な駅舎に生まれ変わりました。

1番のりばは福井鉄道専用の低床式ホームで、福武線の終点となっています。西側には車両の留置スペースがあり、夜間滞泊や日中の留置運用にも対応しています。2番のりばは低床式で、えちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の相互直通列車が利用します。3番のりばはえちぜん鉄道専用のやや高床式ホームです。

相互乗り入れ：連携と発展

1950年の福井鉄道福武線延伸開業時には、資材輸送のための専用線が敷設され、京福電気鉄道福井支社が資材輸送を担当していました。しかし、旅客列車の相互乗り入れは行われていませんでした。

えちぜん鉄道への移管後、福井県を中心に相互乗り入れの検討が進められ、2013年度から設計、2015年度から運行開始を目指し、2016年3月27日に相互乗り入れ運転が開始されました。この相互乗り入れは、地域全体の交通網の充実と利便性向上に大きく貢献しています。

駅周辺：教育機関と文化施設が隣接

田原町駅周辺は、福井大学、北陸中学校・高等学校、福井県立藤島高等学校など多くの教育機関が集中しており、朝夕は学生・生徒でにぎわいます。また、南側にはフェニックス・プラザ、市営体育館、北側には福井市立図書館、福井県立美術館といった文化施設も近接しています。これらの施設の存在は、田原町駅を地域の文化の中心地としての役割を担わせる要因となっています。

アクセスと周辺情報

田原町駅には京福バスが乗り入れており、周辺地域へのアクセスも良好です。かつては福鉄バスも運行していましたが、2024年10月をもって福浦線が廃止され、市中心部への直通便はなくなりました。駅周辺には、多目的駅待合所「田原町ミューズ」をはじめ、フェニックス・プラザ、福井市体育館、福井市立図書館、福井県立美術館など、さまざまな施設があります。

隣の駅

えちぜん鉄道三国芦原線：西別院駅 - 田原町駅 - 福大前西福井駅

福井鉄道福武線：仁愛女子高校駅 - 田原町駅

田原町駅は、歴史と文化、そして教育機関が融合する福井市の魅力を凝縮した場所であり、地域の活性化に貢献する重要な拠点となっています。今後も、その役割はますます重要になっていくでしょう。

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