田原節子

田原節子の人生と功績

田原節子（たはら せつこ、1936年 - 2004年）は、日本のアナウンサー、随筆家、そしてウーマンリブ運動家として幅広く認識されています。彼女は東京都に生まれ、早稲田大学文学部を卒業後、日本テレビに入社しました。アナウンサーとしてのキャリアは17年にわたり、その後はCMプロデューサーとして10年の間、テレビ業界で活躍しました。節子は旧姓が古賀であり、その後、村上とも名乗りましたが、田原総一朗の2番目の妻として広く知られています。また、歌手の古賀さと子は彼女の実妹です。

節子のアナウンサーとしての活躍が続く中、1976年には「容色が衰えた」との理由でアナウンス室からの異動が命じられました。しかし、彼女はその決定に納得せず、提訴を行い、見事に勝訴しました。この事件は、局内で彼女がウーマンリブに関わっていたことが背景にあったとされ、当時の社会情勢を反映した出来事でもあります。

CM作成部に移籍した後も、節子は数々のプロデューサーとしての成功を収めました。特に印象的なのは、1980年代に制作した「覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?」というキャッチコピーで、このフレーズは今なお広く知られています。

彼女の人柄は、娘の江川綾子によっても語られています。節子は常に何事にも興味を持ち、多くの本を読み、知識を深めようとしていました。人や出来事に対し、心からの喜びを持って接し、不条理には強く反発する性格であり、その姿勢が周囲を魅了しました。彼女は「生命力の塊のような面白い人」と表現されることもあります。

節子はジャーナリストの田原総一朗とのダブル不倫を経て、1989年に結婚しました。交際当初はお互いの家庭を壊さないように、慎重に不倫関係を続けていました。田原の事務所の代表を務める中、節子は1998年10月に炎症性乳がんを発症。医師からは余命は6か月と宣告されたものの、彼女は抗がん剤治療を受けながら6年間も闘病を続けました。

闘病中、節子は乳がんや女性問題に関する執筆を行い、講演活動も活発に行っていました。この期間の詳細は、田原総一朗との共著『私たちの愛』に記されています。2004年8月13日、田原節子は多臓器不全により68歳で亡くなりました。葬儀は築地本願寺で行われ、電通の成田豊が葬儀委員長を務めました。彼女は小平霊園に埋葬されています。

田原は、節子が病を受けた時と彼女を失った際に二度自殺を考えたと語っていますが、思いとどまりました。彼女との闘病生活を通じて、田原は「きみが人生のすべてだった」と彼女への深い愛情を表現しました。彼女の骨は2007年に納骨され、今も田原の心の中で生き続けています。

著書

• - 『私たちの愛』 講談社 2003年1月
• - 『がんだから上手に生きる』 海竜社 2004年2月
• - 『最期まで微笑みを』 講談社 2004年10月
• - 『遺書 笑う乳がん闘病記』 集英社 2004年10月

田原節子の生涯は、一人の女性としての強さと不屈の精神を示しており、多くの人々に影響を与え続けています。

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