田口易之

田口易之（たぐち やすゆき、1883年2月24日 - 1965年2月13日）は、日本の検察官、内務官僚、そして政治家として、明治から昭和にかけて活躍しました。

岡山県出身の田口易之は、田口徳一郎の次男として生まれました。1912年10月に東京帝国大学法科大学法律学科（独法）を卒業後、司法官試補として静岡地方裁判所検事局でキャリアをスタートさせました。その後、1913年10月には静岡区裁判所検事代理、同年7月には検事に昇進し、名古屋地方裁判所検事局に勤務しました。その後も、富山区裁判所検事、輪島区裁判所検事、金沢区裁判所検事を歴任し、検察官としての経験を積みました。

1920年6月、田口は内務省に転じ、大阪府警視・刑事課長に就任しました。これを機に、内務官僚としてのキャリアを歩み始めます。その後、和歌山県警察部長、北海道庁部長・警察部長、山梨県書記官・内務部長、新潟県書記官・警察部長、京都府書記官・警察部長、佐賀県書記官・内務部長、高知県書記官・内務部長、愛媛県書記官・内務部長、京都府書記官・内務部長など、様々な地方官庁で要職を歴任しました。これらの経験を通じて、地方行政の実務に精通していきました。

1932年6月には、田口は大分県知事に任命されました。知事として、県招魂社の復興、広瀬神社の建立、宇佐神宮の神域拡張計画などを推進し、地方文化の振興に尽力しました。1936年4月に大分県知事を退任した後、和歌山市長に就任し、1946年までその職を務めました。しかし、戦後、公職追放の対象となり、政治家としての活動を終えました。

田口易之の生涯は、検察官から内務官僚、そして地方政治家へと、多岐にわたる分野での活躍を示しています。特に、地方行政においては、その手腕を発揮し、地方文化の振興や地域社会の発展に貢献しました。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

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