田名部駅

田名部駅（たなぶえき）

田名部駅は、かつて青森県むつ市に存在した下北交通大畑線の駅でした。2001年（平成13年）4月1日の大畑線廃止に伴い、その歴史に幕を閉じました。

歴史

1939年（昭和14年）12月6日：国鉄大畑線の駅として開業。開業当初の駅名は「本田名部駅」でした。
1948年（昭和23年）12月1日：旧田名部駅が赤川駅に改称したことに伴い、「本田名部駅」から「田名部駅」に改称されました。
1972年（昭和47年）3月15日：駅の旅客業務が日本交通観光社に委託されました。
1975年（昭和50年）1月23日：貨物業務も日本交通観光社に委託されることになりました。
1984年（昭和59年）2月1日：貨物および荷物の取り扱いが廃止されました。
1985年（昭和60年）7月1日：大畑線が下北交通へ転換され、下北交通大畑線の駅となりました。
1997年（平成9年）6月1日：むつ市役所柳町連絡所が田名部駅に移転し、むつ市役所田名部連絡所となりました。
2001年（平成13年）4月1日：下北交通大畑線が廃止され、田名部駅も廃駅となりました。
2004年（平成16年）4月1日：むつ市役所田名部連絡所が廃止されました。
2008年（平成20年）：駅舎は、連合青森下北地協が管理する「むつ労働福祉会館」として再利用されました。

駅構造

廃止時、田名部駅は1面1線の単式ホームを有する駅でした。しかし、国鉄時代には2面2線の相対式ホームを備えていました。下北交通への転換後、使用されていたのは旧下り線のみで、旧上り線の線路部分は花壇として整備されていました。旧上りホームもそのまま残されていました。

廃止時まで駅員が配置されており、駅舎には出札窓口、トイレ、そしてむつ市役所田名部連絡所が併設されていました。駅前からは恐山行きのバスが発着しており、地域の足として重要な役割を果たしていました。

駅周辺

田名部駅周辺には、以下の施設がありました。

青い森信用金庫下北営業部（旧：下北信用金庫本店）
まさかりプラザ
むつ来さまい館
むつパークホテル
むつ松木屋
スーパーさとちょう
レストラン Epic（エピック）
斗南温泉
* むつ矢立温泉

廃止後

むつ市役所田名部連絡所は、駅舎をそのまま利用していましたが、行政のスリム化に伴い廃止されました。その後、駅舎は2008年（平成20年）から連合青森の下部組織である連合下北地域協議会が管理する「むつ労働福祉会館」として利用されましたが、後に解体されました。

田名部駅跡地は、むつ市が市内各地に分散し、老朽化が進んでいる市営住宅を集約し建て替えるPFI事業の用地として活用される計画です。2023年（令和5年）8月の完成を目指して工事が進められ、駅跡に残っていたホームも撤去されました。

駅と国道279号を結ぶ青森県道273号田名部停車場線は、駅の廃止後も認定が解除されることなく、一般県道として存続しています。

備考

廃止代替バス（下北駅 - 大畑駅間）は、かつて田名部駅を経由していましたが、後に佐井線に編入され、経由しなくなりました。恐山行きのバスも下北駅発着に変更されました。

連絡所前のロータリーは、「かさまいロータリー」と名付けられていました。駅前広場には、むつ来さまい館が建設されています。

JRバス田名部駅

国鉄大畑線の名残として、駅前には現在もJRバス東北下北本線の田名部駅が存在します。2002年（平成14年）までは窓口業務が行われていましたが、末期はスワローツアーに委託されていました。現在は待合室と乗務員休憩所として使用されています。

かつては、仙台発着の夜行特急バス「エクスノース」が運行されていました。

隣の駅

下北交通

大畑線

海老川駅 - 田名部駅 - 樺山駅

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