田子ノ浦部屋 (2000-2012)

田子ノ浦部屋の概要

田子ノ浦部屋（たごのうらべや）は、日本相撲協会に参加していた出羽海一門に属していた相撲部屋です。この部屋は、2000年に創設されましたが、2012年に閉鎖されました。部屋の歴史と関係者の取り組みを振り返ります。

創設の経緯

1998年に引退した14代田子ノ浦は、出羽海部屋の準年寄としての地位を得た後、1999年に年寄・田子ノ浦を襲名しました。そして2000年2月1日、出羽海部屋から分家独立し、埼玉県大宮市の高木に田子ノ浦部屋を設立しました。その後、2003年12月には東京都江東区に移転しました。

所属力士の変遷

当初、田子ノ浦部屋の力士は、師匠である現役時代の四股名から「久」という字を使用していました。しかし、その後は師匠の故郷、和歌山県の海の色に由来する「碧」という字を使うようになりました。2011年7月にはブルガリア出身の力士、碧山が新十両に昇進し、部屋史上初の関取が誕生し、さらなる弟子育成への期待が高まりました。

師匠の急逝と部屋の閉鎖

ところが、2012年2月13日、師匠の14代田子ノ浦が突然の死去を迎えました。部屋付きの親方には後継者がいなかったため、田子ノ浦部屋は閉鎖されることとなりました。閉鎖時には、8人の弟子たちが残っていましたが、彼らは同じ出羽海一門に属する出羽海部屋および春日野部屋に分かれて移籍することになりました。このような所属力士が異なる部屋に分かれて移籍することは、戦後初の出来事でした。この移籍は、各力士の希望を尊重した形で行われました。

新しい田子ノ浦部屋の設立

部屋が閉鎖された後、鳴戸部屋の師匠である隆の鶴が、14代田子ノ浦の妻が所有していた名跡を取得しました。そして、部屋名を「田子ノ浦部屋」として新たに設立されました。これにより、田子ノ浦部屋の名は引き続き相撲界で存続することとなりました。

最終所在地と師匠

田子ノ浦部屋は、最後に東京都江東区北砂7-9-11に位置し、東京メトロ東西線南砂町駅から徒歩15分の場所にありました。そこで活躍した師匠は、14代にあたる田子ノ浦啓人（たごのうら けいひと）で、彼は前職が久島海であり、和歌山出身です。

閉鎖時の力士たち

閉鎖時に所属していた力士たちの移籍先は以下の通りです：

• - 春日野部屋に移籍した力士：

- 碧山亘右（前7・ブルガリア）※移籍後に関脇へ昇進
- 碧天大市（下8・大阪）
- 碧己真己樹（三1・大阪）

• - 出羽海部屋に移籍した力士：

- 海龍玄氣（下29・和歌山）※移籍後に海龍元生に改名
- 久之虎克太（三31・和歌山）
- 碧の正謙太（三68・大阪）※移籍後に小城ノ正謙太に改名
- 碧海浜翔馬（二3・神奈川）※移籍後に小城ノ浜翔馬に改名
- 碧城景旦（二68・愛知）※移籍後に吉村景太（本名）に改名

田子ノ浦部屋は、短い期間ながらも印象的な成長を遂げ、後の相撲界に影響を与えました。

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