田安門

田安門について

田安門（たやすもん）は、東京都千代田区に位置し、北の丸公園内にある旧江戸城の門です。この門は、高麗門と櫓門からなる桝形門で、1961年に「旧江戸城田安門」として国の重要文化財に指定されています。

歴史的背景

田安門の創建年代は不明ですが、1636年に建設されたと考えられています。これを示すのは高麗門の扉に残る釣金具の刻銘です。田安門の周辺はかつて「田安口」や「飯田口」と呼ばれ、江戸の上州方面への道を結ぶ重要な地点でした。門をくぐると北の丸公園へ通じており、その南側一帯は田安家が、東側は清水家が所有していました。

江戸城の建立後、この地域は「北の丸」として、代官屋敷や大奥に仕えた女性たちの隠れ家として使われました。著名な人物に千姫や春日局、徳川家康の側室である英勝院の屋敷がありました。現在では、田安門は北の丸公園への入口となっており、観光客は自由に出入りできる場所です。また、江戸城の跡地は国の特別史跡に指定されています。

名称の由来

「田安」という名称は、もともとこの辺りに存在していた百姓用地、すなわち田安台に由来しています。この土地には田安大明神が祀られており、現在の築土神社へと続いています。

沿革

田安門の歴史は江戸城の歴史と深く結びついています。

• - 1457年（長禄元年）: 太田道灌によって江戸城が建設されます。
• - 1590年（天正18年）: 徳川家康が江戸城に移り、居城とします。
• - 1607年（慶長12年）: 天守閣が完成します。
• - 1636年（寛永13年）: 田安門が完成し、城郭が整備されます。
• - 1657年（明暦3年）: 大規模な火災に見舞われますが、江戸城の規模はその後も維持されました。
• - 1730年（享保15年）: 八代将軍吉宗が田安家を興し、ここに住まわせます。
• - 1963年（昭和38年）: 田安門の解体修理が行われました。

現在の状況

田安門は、重要文化財としての指定を受けた歴史的な建造物です。特に、高麗門や櫓門はいずれも1636年頃に建立されたもので、豪華な瓦葺きのデザインが特徴です。都営地下鉄新宿線や東京メトロを利用すると、九段下駅から徒歩わずか3分という便利なアクセスがあります。

まとめ

田安門は、江戸城の歴史とともに歩んできた重要な文化財であり、訪れる人々にその歴史を感じさせてくれる場所です。周囲の北の丸公園とあわせて、散策するには最適な環境です。歴史に興味のある方や文化遺産に魅了される方には、ぜひ訪れていただきたいスポットです。

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