田宮高麿

田宮高麿の人生と活動

田宮高麿（たみや たかまろ、1943年1月29日 - 1995年11月30日）は、日本のテロリストであり、新左翼活動家としての道を歩みました。彼は特に、よど号グループのリーダーとして知られており、赤軍派の軍事委員会の議長も務めました。通称は「まろ」です。

学生時代と運動の始まり

岩手県出身の田宮は、大阪府立四條畷高等学校を卒業後、大阪市立大学第二部の夜間で学びながら学生運動に参加しました。彼はブント内の「共産主義青年同盟」の常任委員長に就任し、活動を精力的に展開しました。田宮の学生時代は、彼の後の活動に大きな影響を与えました。

よど号ハイジャック事件

1970年3月31日、田宮は仲間8人と共に日本航空機のよど号をハイジャックしました。この事件は、日本国内外ともに大きな関心を呼びました。ハイジャックの首謀者である田宮は、当初、乗客をソウルの金浦国際空港に降ろすという偽装工作に気づかず、他のメンバーから指摘されて初めて理解します。

よど号での乗客解放交渉では、田宮は唯一名前を明かした人物として、金浦国際空港で別れをテーマにした詩を吟じました。この行為は、彼がどのように乗客に対応し、自己表現を行ったかを象徴しています。ハイジャック事件の後、彼は北朝鮮に渡り、同国での生活を続けながらよど号グループの活動を指導しました。

北朝鮮での生活と活動

北朝鮮に定住した後、田宮は国内外でのテロ活動を続けましたが、次第に彼の行動は国際社会から注目されました。後年、彼はジャーナリストの高沢皓司から日本人拉致問題について厳しい追及を受け、「難しい問題だが努力したい」と答えました。彼が本当に何を考え、何を求めていたのかは今でも議論の余地があります。

死亡とその後の疑念

田宮は1995年11月30日に平壌で死亡したと伝えられています。政府は彼の死因を心臓麻痺と発表しましたが、その一方で、彼の死の直前までの元気な姿が確認されており、多くのジャーナリストはその死に疑問を抱いています。特に、高沢は田宮の死によって、よど号グループとの交渉の窓口を失ったことを嘆きました。

家族とその後

田宮の妻である森順子は、欧州での日本人拉致事案に関与していたとして国際手配されている人物です。また、田宮には3人の子供がおり、長女と長男は2001年及び2004年に日本に帰国しています。長男の森大志は1983年に北朝鮮で生まれ、一時期は地域の市議会選挙に立候補もしましたが、落選しました。

田宮の遺骨は兄によって北朝鮮から持ち帰られ、彼の生前の願い通りに新潟県の瑞雲寺に埋葬されました。

まとめ

田宮高麿の物語は、日本のテロリズムと新左翼運動の複雑さを象徴するものです。彼の活動は日本における政治的歴史や文化に大きな影響を与えたと同時に、その生涯は多くの謎や疑問を残しました。

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