田島良保

田島良保の競馬人生

田島良保は、1947年10月17日に鹿児島県姶良郡牧園町（現在の霧島市）で生まれた元騎手および元調教師である。幼少期から馬と親しんで育ち、中学卒業後には馬事公苑騎手養成所に入所した。ここでの生活を通じて多くの仲間となる騎手たちと出会い、将来の技術向上につながる研鑽を重ねた。

1966年3月5日に中京競馬場でデビューすると、初出走からわずか2戦目で初勝利を収め、以後の競馬界で名声を築いていく。「必殺仕事人」とも称された田島は、特に追い込みスタイルで知られ、数多くの重賞を勝ち取った。彼の騎乗は常に観客を引きつけ、その時々の競馬の定石を覆すような大胆さが評価された。

田島は1967年にはクリバックに騎乗し、小倉大賞典を制覇。1971年にヒカルイマイで皐月賞、さらには日本ダービーでも勝利を収める。特にダービーでは、後方からの追い込みを決め、「戦後最年少のダービージョッキー」とびっくりされる活躍を見せた。このレースでのコメント「僕はダービーに乗ったんじゃない、ヒカルイマイに乗ったんだ」という言葉は彼の競馬に対する情熱を端的に表している。

それからも田島は数々の成功を収め、1973年の宝塚記念ではハマノパレードでの逃げ切り勝ちを収めるなど、競馬界での地位を確立した。1980年にはノースガストに騎乗して菊花賞を制し、戦後生まれの騎手として初めてのクラシック三冠騎手となり、その名声を不動のものにした。

引退後は調教師に転身。その後の厩舎経営では、数々の馬を指導し、1995年にスプリングバンブーで小倉記念を制するなど、成功を収めた。評価が高まり続ける中、2013年には調教師を勇退すると発表した。

田島の特異な競馬へのアプローチは、彼の仲間や弟子たちに大きな影響を与えた。特に「仕事人」としての姿勢や、騎乗技術に関する哲学は、競馬界においての競技者たちにも深く根付いている。弟弟子の田原成貴は、田島を手本にして自身の騎乗技術を磨いたと語っている。

田島良保は、その職人気質で知られ、騎乗への真摯な姿勢や、仲間たちとの深い絆により、今でも多くの競馬ファンや業界関係者に愛され続けている。彼の名前は今後も、競走馬と選手の絆や、競馬というスポーツの素晴らしさを象徴する存在として語り継がれていくであろう。

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