ヒカルイマイ

ヒカルイマイの生涯

ヒカルイマイは、競走馬としての栄光を持ち、その後の評価でも特別な位置を占める日本の名馬です。彼の競走生活は短かったものの、その走りは多くの人々の心に深く刻まれています。

出自

ヒカルイマイは、競走馬専門の育成者ではなく一農家から生まれました。生産者である中田次作は米作を行いつつ、余暇を利用して馬を育てていました。ヒカルイマイは常に家の裏手にある沢で放牧され、馴致もされないまま育ちました。その結果、彼は非常に気性が荒い馬として成長しました。父親のシプリアニは当時あまり知られていませんでしたが、後にヒカルイマイやトウメイの父として名を馳せました。母親セイシュンは地方競馬で目立った成績を残せない馬でした。ヒカルイマイの血統はサラブレッド系種としても評価されず、これが後の彼の運命に影響を与えました。

ヒカルイマイは2歳の時にセリ市に出品されましたが、評価は低く、売却されなかったところに鞆岡達雄という馬主が現れ、最終的には安価に購入されました。その価格は肋骨の怪我を理由に減額され、結局75万円となりました。

競走成績

育成が進む中で、ヒカルイマイは競走馬としてのキャリアを築くことになります。彼の初出走は3歳時に訪れ、田島良保騎手を鞍上に迎えてデビュー。初戦は圧勝し、その後も連勝を重ねました。そして迎えた4歳時、きさらぎ賞での重賞初勝利を果たしました。

皐月賞では、後方から一気に差し切り、優勝を果たしました。その後、NHK杯をも勝利し、いよいよ東京優駿（ダービー）へと進みます。このダービーは、出走馬28頭を揃えた混戦模様でしたが、ヒカルイマイは後方から強烈な追い込みを見せ、見事に勝利。田島騎手は、その独特の乗り方で新たな歴史を刻みました。ヒカルイマイの名は、一躍日本競馬界の語り草となりました。

屈腱炎と引退

ダービー後、彼は休養を取りますが、その後の復帰戦で屈腱炎を発症し、長期休養を余儀なくされます。復帰が待たれる中で、彼の引退が決まったのは非常に残念でした。ヒカルイマイは二年間の休養を経て、新冠町にて種牡馬としての道を歩むことになりました。

競走馬引退後

種牡馬としてのヒカルイマイは、期待されていたものの、成績は芳しくありませんでした。血統の影響もあり、種付け希望が少なかったのです。しかし、牧場管理者の温かい支援やファンの献身的な支援により、彼は徐々に新生活を築いていきます。最終的には、数頭の牝馬を残し、競走馬としての名声は残れど、種牡馬としての成功は見られませんでした。

ヒカルイマイは1992年に心臓麻痺で亡くなり、その後、墓碑が設けられます。彼の生き様や戦績は、今なお多くの競馬ファンに語り継がれています。競走馬としてのヒカルイマイの存在は、競馬界における重要な象徴となり、特にその「後方一気」の追い込みスタイルは今でも多くの人々に印象を残しています。

後年の評価

ヒカルイマイは、1999年のファン投票で20世紀の名馬の63位に選出され、2004年には追い込み馬部門での特別評価も受けました。これらの評価は、彼の独特のレーススタイルと競走成績の両方が影響を及ぼしています。

ヒカルイマイはただの競走馬ではなく、多くの人々の心に残る偉大な存在でした。

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