田村正敏

田村正敏：学生運動から酪農、そして政治の世界へ

田村正敏（1947年1月8日 - 1998年9月25日）は、日本の新左翼活動家として知られています。彼は、1960年代後半の学生運動において、日本大学全学共闘会議（日大全共闘）の書記長を務め、委員長の秋田明大と共に、日大紛争を主導しました。

学生運動の時代

東京都出身（ただし、出生地は埼玉県川口市）の田村は、日本大学文理学部哲学科を中退し、学生運動に身を投じました。日大全共闘書記長として、大学の体制に異議を唱え、学生たちの権利を主張する運動を積極的に展開しました。

北海道での新たな生活

激しい学生運動の後、田村は社会との関わり方を変え、1975年6月に北海道に移住します。そこで彼は酪農家として新たな生活を始めました。北海道豊浦町での酪農生活は、彼にとって学生運動とは全く異なる経験となりました。

政治活動への参加

酪農生活を送る傍ら、田村は政治活動にも関与しました。1983年の北海道知事選挙では、「横路孝弘と勝手に連帯する若者連合」（愛称・勝手連）を発足させ、日本社会党推薦で前衆議院議員の横路孝弘を当選させるために奔走しました。この勝手連運動は、当時の若者たちの政治参加を促す新たな試みとして注目されました。

その後、北海道伊達市館山町にコンピューター専修学校・情報芸術学院を設立し、理事に就任しました。しかし、1987年4月の札幌市長選挙に無所属で立候補したものの、落選という結果に終わりました。さらに、1996年の第41回衆議院議員総選挙では埼玉2区から自由連合公認で立候補しましたが、こちらも落選しました。

著書

田村は、自身の経験や思想を著書として発表しています。

『七〇年代学生運動の展望 われわれの原点』三一書房、1969年
『造反潜行記』北明書房（販売：三笠書房）、1969年
『蜂起と夢と伝説』海燕書房、1975年
『羊飼いの政治冒険』徳間書店、1983年
* 『夢中また夢あり―政治改革実現のために』（田川誠一との共編著）undeined、1989年

これらの著書は、彼の学生運動から社会への関わり、そして政治への挑戦という、多岐にわたる活動を反映しています。

田村正敏は、学生運動家、酪農家、そして政治家という、多様な顔を持つ人物でした。彼の生涯は、日本の社会運動史における特異な軌跡として記憶されています。

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