田村義雄

田村義雄について

田村義雄（たむら よしお）は、1947年8月23日生まれの日本の官僚です。環境事務次官を務めたことで知られています。神奈川県出身で、麻布高等学校を経て、東京大学法学部を卒業しました。

キャリア

1971年に大蔵省（現在の財務省）に入省し、主に税制や財政畑を歩みました。理財局次長、大臣官房総括審議官、関税局長などを歴任した後、環境省に転じ、大臣官房長、総合環境政策局長を経て、2006年に環境事務次官に就任しました。

環境事務次官退任後は、環境省顧問を務めた後、2009年から駐クロアチア大使としてクロアチアに赴任しました。しかし、後述のセクハラ疑惑が報じられたことを受け、2011年に大使を退任しています。

2023年には、長年の功績が認められ、瑞宝重光章を受章しました。

セクハラ疑惑と大使辞任

駐クロアチア大使在任中の2011年、田村氏は、在クロアチア日本大使館に勤務する20代のクロアチア人女性職員に対し、常習的なセクシュアルハラスメント行為を行っていたという疑惑が報じられました。報道によると、車内でのキスや身体への接触などが常態化していたとされています。田村氏は疑惑を否定しましたが、外務省の内部調査により、セクハラ行為があったと認定されました。しかし、外務省は「再発防止の約束が得られた」として、田村氏に対する処分は行わず、同年12月に人事異動の形で大使を退任させました。

この内部調査報告書には、田村氏による大使館の日本人職員に対するパワーハラスメントや、酒気帯び運転の疑いについても言及されていました。また、この疑惑報道に対し、当時の外務省政務三役の一人が「公にならない形で対処する」と発言していたことも明らかになっています。クロアチア外務省もこの報道を把握し、駐日クロアチア大使館に記事の詳細な翻訳を指示するなど、国際問題に発展する可能性も示唆されました。

略歴

1970年：国家公務員採用上級甲種試験（経済）合格
1971年：大蔵省入省（主税局国際租税課）
1973年：西ドイツ留学（ハイデルベルク大学）
1975年：理財局国債課企画係長
1976年：清水税務署長
1977年：大臣官房調査企画課長補佐
1979年：外務省研修所
1980年：在西ドイツ大使館二等書記官、一等書記官
1983年：主税局税制第三課長補佐
1984年：主税局税制第一課長補佐
1985年：主税局税制第二課長補佐（総括・酒税）
1986年：大臣官房企画官兼主税局総務課
1987年：大臣官房企画官兼主税局税制第一課
1988年：三重県総務部長
1990年：主計局主計企画官（財政計画担当）
1991年：主計局調査課長、大蔵大臣秘書官事務取扱
1992年：主計局調査課長
1993年：主計局主計官
1994年：銀行局中小金融課長
1995年：大臣官房調査企画課長
1997年：大阪国税局長
1998年：理財局次長（理財担当）
2001年：財務省大臣官房総括審議官、関税局長
2003年：環境省大臣官房長
2004年：環境省総合環境政策局長
2006年：環境事務次官
2008年：退官、環境省顧問
2009年：特命全権大使クロアチア駐箚
* 2011年: 大使館同大使退任

親族

義父は、元通商産業審議官で元資源エネルギー庁長官の橋本利一氏です。



田村義雄氏は、そのキャリアを通して日本の行政に貢献しましたが、晩年にはセクハラ疑惑という不名誉な出来事もあり、その功績に影を落とすこととなりました。しかし、2023年には瑞宝重光章を受章しており、長年の功績が一定の評価を受けていることも事実です。

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