総合環境政策局について
総合環境政策局は、かつて
環境省に設置されていた
内部部局の一つです。2017年の組織改編により廃止され、その機能は新たに設置された
総合環境政策統括官に引き継がれました。この局は、環境保全に関する基本的な政策の企画・立案から、具体的な施策の推進まで、幅広い業務を担当していました。
主な職務
総合環境政策局は、環境保全に関する以下の様な多岐にわたる職務を担っていました。
政策の企画・立案・推進: 環境保全に関する基本的な政策の企画、立案、推進を行っていました。ただし、大臣官房や他の局が所掌するものを除く業務です。
関係行政機関との調整: 環境保全に関する関係行政機関との事務調整を行っていました。こちらも、大臣官房や他局が担当するものを除きます。
予算に関する調整: 地球環境保全などに関する関係行政機関の経費の見積もり方針の調整を行っていました。
研究開発の推進: 地球環境保全に関する関係行政機関の試験研究機関の経費や、試験研究委託費の配分計画を担当していました(地球環境局所掌のものを除く)。
国土利用計画への関与: 国土利用計画のうち、環境保全に関する基本的な政策に関わる部分の作成に関与していました。
公害防止事業の費用負担: 公害防止のための事業にかかる費用について、事業者負担に関する制度を担当していました。
温室効果ガス排出抑制: 環境保全の観点から、温室効果ガスの排出抑制に関する基準策定や規制に関与していました。特に、地方公共団体が行う排出抑制施策に関する基準策定を担っていました。
工場立地規制: 環境保全の観点から、工場立地の規制に関する基準策定や実施に関与していました。
環境影響評価: 環境影響評価に関する基準策定や審査に関与していました。
環境保全のための経済的措置: 環境への負荷低減に資する製品等の利用促進、事業者や国民の環境保全に関する理解増進、自発的な環境保全活動の促進などを担当しました。
研究開発: 環境保全に関する研究、技術開発、普及を推進しました。
地方公共団体との連携: 環境保全に関する地方公共団体との連携を担当しました。
環境に関する法人等の運営: 国立研究開発法人審議会の庶務、環境調査研修所の業務、国立研究開発法人国立環境研究所の業務、独立行政法人環境再生保全機構及び中間貯蔵・環境安全事業株式会社の組織及び運営に関与しました。
環境保全に関連する基準策定: 環境保全を目的とする事務・事業や、その目的・機能の一部に環境保全が含まれる事務・事業について、環境保全の観点からの基準策定や規制を実施していました(大臣官房廃棄物・リサイクル対策部及び他局の所掌に属するものを除く)。
環境保健部
総合環境政策局には、環境保健部も置かれていました。環境保健部は、
化学物質による環境汚染防止や
公害による健康被害対策など、人の健康に関わる
環境問題を担当していました。
化学物質汚染対策: 化学物質による環境汚染の防止、調査、環境リスク評価、リスクコミュニケーションの推進を担当しました。特に、発生機構が未解明な化学物質汚染の防止に関する政策の企画・立案・推進や、関係行政機関との事務調整を行いました。
健康被害対策: 公害による健康被害の補償や予防、
石綿による健康被害の救済を担当しました。
化学物質規制: 環境保全の観点から、化学物質の審査、製造、輸入、使用などの規制基準策定や実施を行いました。
化学物質の把握: 事業所から環境に排出される
化学物質の量や、事業所外に移動する
化学物質の量の把握、
化学物質の管理改善促進に関する基準策定、把握された
化学物質の量の集計・公表を行いました。
水俣病調査研究: 環境調査研修所における水俣病に関する総合的な調査研究、国内外の情報収集・整理・提供を行いました。
組織構成
総合環境政策局は、以下のような組織で構成されていました。
局長
総務課
環境研究技術室
企画官
調査官
環境計画課
計画官
環境経済課
環境教育推進室
環境影響評価課
環境影響審査室
環境保健部
環境保健企画管理課
保健業務室
特殊疾病対策室
石綿健康被害対策室
化学物質審査室
調査官
環境安全課
環境リスク評価室
参事官
まとめ
総合環境政策局は、
環境省において重要な役割を担っていた組織です。環境保全に関する幅広い政策の立案・実施、関係機関との調整、研究開発の推進など、その業務は多岐にわたりました。2017年に廃止されましたが、その機能は現在の環境行政に引き継がれ、日本の環境保全政策を支えています。
関連項目
環境省
総合環境政策統括官