田染村

田染村（たしぶむら）

概要

田染村は、かつて大分県西国東郡に存在した村です。現在の豊後高田市の一部にあたり、国東半島の西部に位置する田染盆地を中心とした地域でした。この地域は、豊かな自然に恵まれ、農業を基盤とした生活が営まれていました。

地理

田染村は、国東半島の西部に位置し、周囲を山々に囲まれた盆地の中にありました。主な山としては両子山があり、桂川や蕗川といった河川が村内を流れていました。これらの河川は、農業用水としても利用され、田染村の生活を支えていました。

歴史

1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行に伴い、嶺崎村、真中村、平野村、池部村、相原村、上野村、蕗村の7つの村が合併し、田染村が発足しました。合併後の村は、旧村名を継承した7つの大字（嶺崎、真中、平野、池部、相原、上野、蕗）によって構成されました。

田染村は、発足から65年後の1954年（昭和29年）5月31日に、西国東郡豊後高田町に編入され、その歴史に幕を閉じました。同日、豊後高田町は市制を施行し、豊後高田市となり、田染村は新たな市の歴史の一部となりました。

産業

田染村の主な産業は、農業と薪炭業でした。豊かな自然を背景に、米や野菜などの農作物が栽培され、山林資源を活用した薪炭生産も行われていました。これらの産業は、田染村の人々の生活を支える重要な基盤となっていました。

名所・旧跡

田染村には、歴史的な名所や旧跡がいくつか存在しました。その中でも特に有名なのが富貴寺です。富貴寺は、平安時代に創建された天台宗の寺院であり、国宝に指定されている大堂は、当時の建築様式を今に伝える貴重な遺構として知られています。

まとめ

田染村は、短い期間ではありましたが、国東半島の歴史と文化を語る上で重要な地域でした。その名前は失われましたが、豊かな自然と人々の暮らしは、豊後高田市の一部として今も受け継がれています。かつて田染村で暮らしていた人々は、自然と共生し、地域の文化を育みながら生活を送っていました。その歴史は、今日の豊後高田市を形成する上で、欠かすことのできない重要な一部となっています。

参考文献

角川日本地名大辞典 44 大分県
『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。

関連項目

* 大分県の廃止市町村一覧

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