田浦正巳

田浦正巳：日本の銀幕とブラウン管を彩った名優

田浦正巳（たうら まさみ、1932年10月6日 - 2011年1月14日）は、日本の俳優として長く活躍した人物です。鹿児島県出身で、熊本県立済済黌高校卒業後に俳優座第4期生としてキャリアをスタートさせました。宇津井健、桐野洋雄、佐藤慶、佐藤允、仲代達矢、中谷一郎といったそうそうたるメンバーと同期だったことは、彼の才能を物語っています。

俳優座での研鑽を経て、田浦氏は松竹へ移籍。その後、1974年には自身の会社「株式会社 基」を設立し、代表取締役として経営者としての顔も持ちました。俳優としての活動と並行して、ビジネスにも手腕を発揮した彼の多才ぶりは特筆に値します。

彼の俳優としての活動は、映画とテレビドラマの両方に及びます。映画デビュー作は1953年の『日本の悲劇』。その後も数多くの作品に出演し、幅広い役柄を演じきりました。1950年代から60年代にかけては、松竹作品を中心に活躍。時代劇から現代劇まで、その演技力は高く評価され、多くの作品で重要な役割を担いました。特に1961年の『北上川悲歌』では主演を務めています。

テレビドラマにおいても、田浦氏は数々の作品に出演。時代劇、現代劇を問わず、個性豊かなキャラクターを演じ分け、視聴者から親しまれました。『ウルトラセブン』、『大江戸捜査網』、『水戸黄門』など、人気シリーズへの出演も多く、彼の存在感は視聴者の記憶に強く刻まれています。これらの作品を通して、田浦氏は様々な役柄を演じ、その演技力で視聴者を魅了し続けました。

田浦正巳のフィルモグラフィーは膨大であり、ここでは全てを列挙することはできませんが、彼がいかに多様な作品に出演し、日本の映像文化に貢献してきたかを改めて認識させられます。

彼の出演作品の一部を以下に挙げます。

映画

日本の悲劇 (1953)
沖縄健児隊 (1953)
陽のあたる家 (1954)
女の園 (1954)
陽は沈まず (1954)
青春ロマンスシート 青草に坐す (1954)
黒い罌粟 (1954)
青春前期 (1954)
忠臣蔵 花の巻・雪の巻 (1954)
喧嘩鴉 (1954)
この広い空のどこかに (1954)
女の一生 (1955)
…（多数の作品）…
北上川悲歌 (1961) ※主演
罠にはまった男 (1972)
毘沙門天慕情 (1973)

テレビドラマ

ウルトラセブン (1968)
大江戸捜査網
大岡政談
水戸黄門 (1974)
* …（多数の作品）…

2011年1月14日、78歳で逝去。数多くの作品を通して日本の映像文化に貢献した彼の功績は、これからも多くの人々の記憶に残り続けるでしょう。彼の存在は、日本の映画・テレビドラマ史に重要な足跡を残しました。田浦正巳という名優の活躍は、後世に語り継がれるべきものです。

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