田淵助六

田淵助六

田淵助六（たぶち すけろく、1884年6月28日 - 1969年10月27日）は、福岡県出身の日本の実業家。

生い立ちと初期の経歴

田淵助六は、1884年6月28日に福岡県京都郡仲津村（現在の行橋市）で、農業を営む田淵市平の長男として生まれました。彼は中学校を中退後、家業を弟に譲り、北海道への移民団に加わって札幌に移住しました。北海道庁に給仕として入庁し、道庁に勤務する傍ら夜間中学を卒業。1906年には北海法学校（現在の北海学園大学）を卒業しました。

鉄道官僚としての活躍

北海法学校卒業後、田淵は帝国鉄道庁に入庁し、書記を経て1907年に任官されました。その後、釧路運輸事務所、旭川運輸事務所、鉄道省移行後の札幌鉄道局運輸課で貨物業務に従事。小樽駅の第13代駅長（1923年12月1日-1929年3月29日）、旭川駅の第16代駅長（1929年3月30日-1930年10月）を歴任しました。旭川運輸事務所列車主席時代には、1923年に留萠線でアメリカから輸入された日本初のロータリー除雪車の試運転に携わりました。

留萠鉄道への参画と経営

札幌鉄道局副参事時代に、安川財閥の松本健次郎から誘いを受け、1930年に留萠鉄道に入社しました。恵比島営業所長兼運輸長として現業部門を担当し、1942年5月には常務取締役に就任。北海道総合開発計画委員交通部委員も兼務しました。戦後の1946年12月には専務取締役に昇進。その後、財閥解体・公職追放により辞任した松本に代わり、田淵は私財を投じ、不足分は借金をして留萠鉄道を買収し、1948年11月に社長として再建に尽力しました。

除雪技術への貢献

1952年、田淵は留萠鉄道の子会社として「三和興業」を設立しました。ここでは、日本初の耐寒耐雪仕様のディーゼルカーや、世界初のロータリーディーゼル除雪車の開発が行われました。さらに、道路用除雪車の開発を目的として、三和興業から独立する形で「日本除雪機製作所」（現在のNICHIJO）も設立しました。これにより、日本の除雪技術の発展に大きく貢献しました。

死去と叙位叙勲

田淵助六は、1969年10月27日に85歳で亡くなりました。その功績が認められ、1959年に藍綬褒章、1965年に勲四等瑞宝章を受章。1969年には従五位に叙せられました。

田淵助六は、鉄道官僚としての経験を活かし、留萠鉄道の経営者として地域経済の発展に貢献しました。特に、除雪技術の開発においては、日本の寒冷地における交通の安定に大きく寄与し、その功績は高く評価されています。

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