NICHIJO

株式会社NICHIJO（ニチジョ）

株式会社NICHIJO（英: NICHIJO CORPORATION）は、日本の建設機械メーカーです。川崎重工グループの一員であり、川崎車両株式会社の子会社として、北海道札幌市に本社を構えています。

概要

NICHIJOの前身は、1952年に設立された三和興業で、元々は北海道内の炭鉱鉄道であった留萠鉄道の子会社でした。1950年代後期から鉄道・道路用除雪車両の開発に取り組み、除雪装置の製造で国内シェアの7割を占めるまでに成長しました。

除雪機のほかにも、草刈機や排水ポンプなどの夏季用アタッチメント、重量物運搬車「キャリアパレット」、鉱石運搬車といった特殊車両の開発・製造も行っています。鉄道車両分野では、除雪車や排雪用モーターカーに加え、近年では製鉄所構内鉄道のディーゼル機関車や保線・高所作業用モーターカーなども手掛けています。

JR北海道が開発したデュアル・モード・ビークル (DMV) の試験車製造にも油圧技術を提供し、阿佐海岸鉄道DMV93形気動車の軌陸装置の製作・設置も担当しました。

歴史

1952年: 留萠鉄道が事業多角化のため、子会社「三和興業株式会社」を設立。
1958年: ロータリー式ディーゼル機関車「DR101CL」を開発（製造は新潟鉄工所）。
1962年: 三和興業から機械開発部門が独立し、日本除雪機製作所を設立。本社を札幌市に置く。
1969年: アーティキュレート方式の除雪車「MR12型」を開発。700馬力の高速大型除雪車HTR700を開発。
1970年: 親会社である留萠鉄道の廃業に伴い、会社更生法を申請。その後、川崎重工業の傘下に入る。
1971年: 会社更生法による更生計画が認可。
1973年: 札幌オリンピック特需もあり、当初計画より5年繰り上げて再建に成功。
1992年: 北海道開発局建設機械工作所と共同で、最高速度70km/hのHTR411Sを開発。
2018年: 株式会社日本除雪機製作所から株式会社NICHIJOへ商号変更。
2021年: 川崎重工業株式会社車両カンパニーの分社化に伴い、川崎車両株式会社へ株式が譲渡され、川崎車両の子会社となる。

DR101CLの開発

1955年12月、三和興業時代に留萌鉄道から除雪車開発の依頼を受け、1958年12月にロータリー式ディーゼル機関車「DR101CL」を納入しました。スイス企業のロータリー車を参考に開発を進めましたが、オーガ部分の特許問題から独自形状のオーガを開発しました。

当時の国鉄では、除雪車と推進機関車の組み合わせで最低15人体制が必要でしたが、DR101CLは単車自走型で3人での作業が可能となり、製造費や運転費も大幅に削減されました。エンジンが除雪・走行兼用で出力不足という課題はあったものの、日本初のディーゼル動力によるロータリー式除雪車として、国鉄の除雪車両開発に影響を与えました。

HTR型の開発

北海道開発局はDR101CLの成果に着目し、三菱製WTR型ロータリ式除雪車の改造を三和興業に依頼。酒井工作所による委託改造を経てHTR型が開発されました。HTRの名称は、開発部門の代表を務めていた田渕秀幸の名前に由来し、後に「Hydraulic Torque converter Rotary」の略とされました。

1959年12月、開発局の性能試験でHTR型は他を圧倒。試作車HTR1型を喜茂別町の除雪拠点に配備し実用試験を行った結果、投雪距離や除雪スピードが評価され、開発局は三和興業に除雪専用車の開発を打診。1962年3月、日産ディーゼルの協力の下HTR2型が完成しました。

高速型除雪車の開発

1960年代に入ると、国道の除雪延長が増加し、除雪車の性能向上が求められました。1969年には、アーティキュレート（関節）方式の除雪車「MR12型」を開発し、除雪作業の効率化を図りました。また、同年には700馬力・最高時速50kmの3軸式高速大型除雪車HTR700を開発し、豪雪地の道路除雪に貢献しました。1992年には、北海道開発局建設機械工作所と共同で最高速度70km/hのHTR411Sを開発し、高速道路での除雪スピードを向上させました。

本社・事業所

本社・曙工場: 札幌市手稲区曙5条5丁目1-10
稲穂工場: 札幌市手稲区稲穂3条6丁目4-38
東京支社: 東京都台東区東上野1丁目9-7 YTSビル4階
大阪支社: 大阪市淀川区西中島5丁目5-15 新大阪セントラルタワー南館8階
東北営業所: 仙台市若林区新寺1丁目2-26 小田急仙台東口ビル8階
北陸営業所: 新潟市中央区笹口2丁目10-1 WIN21 3階
* 総合技術研修センター: 小樽市春香町44-2

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