田畑伸一郎

田畑伸一郎について

田畑伸一郎（たばた しんいちろう、1957年生まれ）は、日本の経済学者として特にロシアの経済研究において高い評価を得ている学者です。彼は北海道大学の名誉教授であり、同大学のスラブ研究センターの長も務めました。さらに、ロシア・東欧学会の代表理事や比較経済体制学会の事務局長など、多くの学会において重要な役割を担っています。

学歴と経歴

田畑は清水市立第五中学校や静岡県立清水東高等学校を卒業した後、1981年に東京大学の教養学部を卒業しました。その後、一橋大学の大学院で修士課程を修了し、1986年には博士後期課程の単位を取得しました。彼の研究指導を行ったのは宮鍋幟教授です。1986年に北海道大学のスラブ研究センターに助教授として迎えられ、1997年からは教授に昇進しました。2004年から2006年までスラブ研究センターのセンター長を務め、2008年から2013年にはユーラシア地域の比較研究をリードする研究プロジェクトの代表をつとめました。また、2012年から2013年までは北海道大学ヘルシンキオフィスの所長としても活動しました。

専門分野と業績

田畑の専門分野はロシア経済であり、彼はその深い知識と分析力により、多くの学術的業績を挙げています。比較経済体制学会の事務局長やロシア・東欧学会の理事、環日本海経済研究所（ERINA）の理事としても活躍しています。2013年にはユーラシア地域に関する研究プロジェクトで地域研究コンソーシアム賞の研究企画賞を受賞しました。また、2019年にはロシア・東欧学会の代表理事に就任しました。

彼は2023年3月に北海道大学を定年退職しましたが、そのキャリアを通じて多くの重要な研究に貢献してきました。

著作と研究成果

田畑の著作には、以下のような作品があります。

• - 『ロシアの地域間の資金循環』（1998年、北海道大学出版）
• - 『ロシアの世界経済との統合に関する総合的研究』（2001年、北海道大学出版）
• - 『ユーラシア地域大国の比較研究に関する総括』（2008年、北海道大学出版）

また、編著として『石油・ガスとロシア経済』（2008年、北海道大学出版）なども手掛けています。共編著の作品も数多くあり、例えば、久保庭眞彰との共著『マイコンによる経済学』（1983年、青木書店）、望月喜市との共著『スラブの経済』（1995年、弘文堂）などがあります。

田畑は、英語論文も数多く発表しており、『Eurasian Geography and Economics』誌などでその研究成果を発表しています。彼の研究は、ロシア経済のモデルや市場経済移行の過程などに焦点を当てており、国際的な視野を持った高い学問的価値を有するものです。

まとめ

田畑伸一郎の学術的な業績は、ロシアとその周辺地域の経済の理解を深め、有意義な分析を提供してきました。彼の専門知識と豊富な経験は、今後も学問の進展に寄与することでしょう。

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