田畑千秋

田畑千秋

田畑千秋（たばた ちあき、1952年 - ）は、日本の著名な民俗学者であり、大分大学の教授を務めています。奄美大島の旧家に生まれ、幼少の頃から地域の文化や伝承に触れて育ちました。

来歴

1952年、奄美大島で生を受けました。父は民俗学者の田畑英勝であり、『奄美大島昔話集』や『奄美のことわざ』など、奄美に関する多数の著作を残しています。叔父には東京都練馬区長を務めた田畑健介がいます。國學院大學文学部を卒業後、法政大学大学院に進み、その後ドイツのボン大学に留学し、クライナー・ヨーゼフ教授に師事しました。

帰国後、奄美博物館の創設に尽力し、開館後は初代主幹学芸員として活躍しました。その後、国際日本文化研究センター客員助教授、鎌倉女子大学客員教授などを経て、現在は大分大学教授として教鞭を執っています。2004年には、「奄美大島の口承文芸研究」で國學院大學より博士（民俗学）の学位を取得しました。

研究内容

田畑千秋氏は、奄美大島を中心とした南島文化の研究に深く携わってきました。特に、口承文芸、民俗芸能、儀礼、生活文化など、多岐にわたる分野でフィールドワークを行い、詳細な記録と分析を行っています。その研究は、奄美の文化を深く理解するための重要な資料となっています。

受賞歴

沖縄文化協会賞（1989年、「奄美のユングトｩの呪祷性」）
佐藤玩具財団優秀論文賞（1991年、「奄美の子供遊び」）
南海文化賞（2006年、南島文化の研究功績）

これらの受賞歴は、田畑氏の研究が学術的に高く評価されていることを示しています。

著書

田畑千秋氏は、数多くの著書を執筆しています。以下に主な著書を挙げます。

単著

『奄美名音集落の八月歌』（天空舎、1991年）
『奄美の暮しと儀礼』（第一書房、1992年）
『奄美のわらべうた』（天空舎、1992年）
『奄美沖縄 女のことわざ』（第一書房、1997年）
『奄美大島の口承説話』（第一書房、2005年）
『南島口承文芸研究叙説』（第一書房、2005年）

共著

『ドイツ人のみた明治の奄美』（クライナー・ヨーゼフと共著、ひるぎ社、1992年）
* 『奄美 復帰50年 ヤマトとナハのはざまで』（松本泰丈と共編、至文堂）

これらの著書を通して、奄美の文化や歴史、人々の暮らしを伝えています。

田畑千秋氏の業績は、奄美の文化遺産の保護と継承に大きく貢献しています。その研究は、学術的な価値だけでなく、地域社会の活性化にもつながるものとして期待されています。

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