田辺弥八

田辺弥八の生涯と戦歴

田辺弥八（たなべ やはち、1905年8月13日 - 1990年4月29日）は、日本の海軍軍人であり、最終的に海軍中佐に達した。彼は、ミッドウェー海戦において伊号第百六十八潜水艦の艦長として、アメリカの空母ヨークタウンを撃沈したことで特に有名である。その生涯を振り返ると、彼の軍人としての功績はただ一つの戦闘に留まらず、多岐にわたる。

学生時代から軍人へ

香川県出身の田辺は、旧制香川県立三豊中学校（第21回）を卒業後、海軍兵学校に進む。彼が在籍していた海兵56期の同期生には、高橋赫一や大谷藤之助、三上作夫といった著名な海軍軍人がいる。田辺は通信学校を修了し、「通信屋」としての技能を身に付けた後、潜水艦水雷長養成過程を修了して潜水艦乗りへの道を歩む。

彼のキャリアの初期には、伊号潜水艦「伊八」の通信長や第二潜水戦隊参謀としての勤務もあり、1940年には少佐に昇進した。潜水艦長養成課程を受け、呂号第五十九潜水艦長としての任務に就く。

ミッドウェー海戦での活躍

1942年1月、田辺は伊号第百六十八潜水艦の艦長に任命され、同年5月のミッドウェー海戦に出撃する。この戦闘は日本海軍にとって厳しいものであり、空母4隻を失う大損害を受ける中、田辺は冷静な指揮を発揮した。

彼の艦は敵空母ヨークタウンを発見し、戦術的な判断を下した。田辺は水中速力を3ノットに保ちながら巧妙に接近し、右舷から1200メートルの距離で魚雷を4本発射した。その結果、ヨークタウンに3発（アメリカ側では2発）、駆逐艦ハムマンに1発が命中し、両艦を撃沈することに成功した。この攻撃は彼の軍歴の中でも特筆すべき瞬間であり、アメリカ側でもその被害を認めた。

その後、田辺の潜水艦は爆雷の攻撃を避けるためにヨークタウンの真下に潜伏し、その後6月19日に日本へ帰投することになった。彼の冷静な判断力と優れた指揮能力は、この戦闘における大きな成果となった。

戦後の生活

戦後、田辺は海軍を退役し、紙工場を運営することになった。彼は戦友やその家族とのつながりを重視し、一緒に働く仲間としての絆を深めていた。1990年に亡くなるまで、彼は自らの経験を通じて多くの人々に影響を与え続けた。

まとめ

田辺弥八の生涯は、日本海軍の一員としての栄光と、戦後の平穏な生活の両方を物語っている。彼の業績は現在でも高く評価されており、海軍の歴史の一部として語り継がれている。これからも彼の勇敢な行動は、多くの人々に記憶され続けることであろう。

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